「最低賃金」の知っているようで、知らないコト

「最低賃金(最賃)」とは、最低賃金法に基づき国が決めている賃金の最低額(時給)のことです。

なぜ?ナゼ?まるわかり教室 最低賃金制度 (監修:労働条件・中小労働対策局)

「最低賃金(最賃)」とは、最低賃金法に基づき国が決めている賃金の最低額(時給)のことです。

使用者はその最低賃金額以上の賃金を労働者に支払わなければなりません。違反した場合の罰則も定められています。

賃金などの労働条件は労使交渉で決めるのが原則です。しかし、労働組合がない企業の労働者は、使用者に不当な低賃金を強要される場合も考えられるため、最賃が社会的に規制する役割を果たしています。

重要なセーフティネットである最低賃金。知っているようで知らないコトも...。

ここであらためて「最賃」についておさらいしましょう。

最賃制度の目的は、低賃金労働者の労働条件改善だけではありません。実は労使双方にプラスなんです!

労働条件が改善されると、やりがいをもって知識やスキルに磨きをかけるゆとりが生まれ、生産性向上につながります。労働条件の改善により、企業が優秀な労働者を雇い入れやすくもなります。

また、賃金引き下げなどの企業間の「底なし」の過当競争を食い止め、企業が提供する製品やサービスの向上にもつながります。

■地域別最低賃金とは?

すべての労働者に適用される賃金です。地域における労働者の「生計費」や「賃金」、使用者の「通常の賃金支払い能力」等を考慮し、47都道府県別に決められています。

■特定最低賃金とは?

産業や種類ごとの賃金実態を踏まえた審議によって特定の産業や職種ごとに設定することができる賃金です。

連合は、労働者が「最低限度」の生活を営むのに必要な賃金水準を"連合リビングウェイジ"として、独自に試算しています。

連合リビングウェイジによれば、地域最低賃金では、贅沢なしのギリギリの生活すらできません。

※こちらの記事は日本労働組合総連合会が企画・編集する「月刊連合 2015年10月号」に掲載された記事をWeb用に編集したものです

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