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第76回中央委員会 会長挨拶「2018春季生活闘争方針について」

連合本部では、女性役員の比率が3割を超えるなど、取り組みの成果は着実に表れてきています。

2017年12月08日 14時21分 JST | 更新 2017年12月08日 14時21分 JST

まず本日の主要議題であります、2018春季生活闘争方針についてです。これまでも、中央執行委員会や中央討論集会において、2018春季生活闘争の位置づけや考え方を述べてきたところでありますし、詳しくは後ほどの提案と論議に委ねることといたしますが、とりわけ、この方針案に込めた思いを述べておきたいと思います。

一つには、なんといっても「底上げ・底支え」「格差是正」に継続して取り組む、さらに強める・拡げるということです。連合は、2014年春季生活闘争から「底上げ・底支え」「格差是正」の旗を掲げ、すべての働く者の月例賃金の引き上げにこだわる取り組みを進めてきました。特に2016年春季生活闘争からは「大手追従・大手準拠からの構造転換」など労使関係の歯車を回すことに重点をおいて、底上げを強調して取り組んだ結果、直近の2017春季生活闘争では、中小組合において賃上げ率が0.56%となり、大手組合の0.48%を上回るという成果を勝ち取りました。いわゆる非正規の形態で働く仲間の賃上げ率についても、正規労働者を上回りました。60年を超す春闘の歴史上、物価上昇がほとんどない中ではじめてのことです。2018春季生活闘争では、これを組織内でさらに深め、社会に広げていく事が必要です。

我われ労働運動が有する大きな強みの一つは、労使関係を確立している、ということです。労使は、異なる立場から、企業の労働条件向上のみならず、業績や企業の枠を超えた経済、産業、労働市場等についての関心を共有しながら、生産性の向上とそこから得られる成果の公正な配分を実現するために徹底した協議を重ねる、緊張と相互信頼にもとづいた関係を構築してきました。この労使関係を確立している我われこそが春季生活闘争の先頭に立ち、「底上げ・底支え」「格差是正」の実現に向けてあらゆる手段を用いて取り組みを進め、「大手追従・大手準拠などの構造を転換する運動」の流れの継続・定着・前進をはかり、「賃金は上がるもの」という常識を取り戻していくことが重要です。

あわせて、「サプライチェーン全体で生み出した付加価値の適正分配」についても、連合として、より多くの関係者が参加できるプラットフォームをつくり、産業横断・社会横断の取り組みとして、社会的認知から公正さの実践・実行のフェーズに移行していく必要があります。

そしてこの間、「取引の適正化」に重点をおいてきていますが、2018闘争からは「働き方」とのつながりにも目をむけていくことが重要です。取引条件や価格は賃金だけではなく、働き方でも働く者の立場とつながっています。自分達の働き方の見直しや長時間労働の是正を通じ、自分の職場だけでなく、企業を超えて、仲間の働き方の改善につなげて行くことは、まさに労働運動ならではのアプローチであります。

もちろんその前提の取り組みとして、職場労使による働き方改革を一層強化していくべきことは言うまでもありません。長時間労働是正や同一労働同一賃金など雇用形態間の均等待遇の実現などをはじめとする「働き方改革」も、我われ労働組合が、労使関係の枠組みのなかで改善をはかっていくことこそが雇用社会における根っこの「エンジン」の力を形成します。まさに「魂を入れ込む」環境整備を行い、「すべての労働者の立場にたった働き方の実現」に向けて、私たち連合が先頭を切って進まなければならないのであります。

そして、いわゆる非正規の形態で働く仲間の労働条件に関わる取り組みについても、そのステージを新たにしてまいります。連合は、2006春季生活闘争で、エントリー制のパート共闘会議を設置し、その後、すべての構成組織が参加する非正規共闘へと枠組みを強化し、非正規労働者の処遇改善に取り組んできました。非正規共闘を通じて、いわゆる非正規労働者の雇用環境や処遇の状況などを社会に知らしめてきた役割と意義は大きいものがありました。一方で、個別労使交渉の中で、正規労働者と同様に非正規労働者の処遇改善をはかる取り組みが進んできたのか、この事を今一度振り返る必要もあります。

すでに職場は、多様な雇用形態の労働者で構成されており、今後、同一労働同一賃金など均等均衡待遇の実現、有期契約労働者の無期転換の取り組み、派遣労働者の3年の期限到来時の対応など、これまで以上に労働組合としての対応力が求められる中、正規労働者の処遇改善と同様に、いわゆる非正規労働者の処遇改善を個別労使、産業労使の交渉のど真ん中におく必要があります。

非正規といわれる形態で働く仲間の問題解決を強化していくことの必要性については、中央討論集会、中央執行委員会等で、的確かつ力強いご意見をいただいてきています。まさに、2018春季生活闘争では、これまで非正規共闘が果たしてきた役割を個々の労使協議の中に埋め込み、そして必ず結果につなげ、そのことを社会に発信することで、非正規労働者の処遇改善の実効性を高めていかねばなりません。確実に前に踏み出す中での今回の方針の取り扱いであることを、しっかりとお互いに確認しておきたいと思います。

加えて、「障がい者雇用」「社会保険の適用拡大」「育児・介護・治療と仕事の両立」「男女平等」など、課題は様々あります。これらを含めて、連合が求める政策・制度の実現を、春季生活闘争とともに取り組む運動の両輪として推進し、「働くことを軸とする安心社会」を実現するための歩みを着実に進めていかねばなりません。

なお男女平等の推進に関しては、この場を借りて一言付け加えておきたいと思います。この分野においては政策面・制度面の対応だけでなく、社会参画の促進、わけても自らの足もとの問題として、労働組合における女性参画の促進が重要であることは論を待ちません。先般、連合宮崎と連合奈良で、地方連合会として初の女性会長が誕生いたしました。宮崎の中川さん、奈良の西田さんです。ご紹介をし、皆さんに激励の拍手を求めたいと思います。

連合本部では、女性役員の比率が3割を超えるなど、取り組みの成果は着実に表れてきています。連合の「第4次男女平等参画計画」は2020年9月を目標としています。男女平等参画の推進が、組織全体の取り組みとなりますよう、各構成組織、地方連合会における取り組み強化を改めてお願いしておきたいと思います。