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プレミアムフライデー、午後3時に全員オフィスからいなくなります

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The Huffington Post
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■突然やってきたプレミアムフライデー

毎月末の金曜日の午後3時に、仕事を切り上げる「プレミアムフライデー」が2月24日に始まる。国や経済界のほか、小売や旅行業界がこの運動をすすめている。

早く帰る人が増えれば、買い物や旅行でお金を使う人が出てきて経済が元気になる期待があるほか、日本の長時間労働を変えるきっかけになるかもしれない。

こうしたニュースを報じる中、ハフィントンポスト編集部内では「こんなことが本当に出来るのか」と疑問の声があがった。おしゃれなミーティングが好きな広告代理店が、ちょいちょいと頭の中だけで考えた企画のにおいがする。

日本の経済はかつての勢いはなく、給料がどんどん増える時代でもない。博報堂行動デザイン研究所が2016年に大都市圏の800人に行った調査では、プレミアムフライデーの過ごし方として多かったのは31.5%の「旅行」と30.3%の「自宅でのんびり過ごす」だった。「買い物」は7.4%。

家に帰る人も何となく多そう。バブル時代の「花金」(金曜の夜に遊び歩くこと)は過去の遺物。実現性はあるのか。

■1回だけなら

pizza

いくら休もうと思っても、仕事がたまっていたり、お客さんの都合に合わせたりしているうちに、ズルズル働いてしまうのも現実だ。

「プレミアムフライデーですから...」と大事なアポや急な商談を断れるわけがない。

ただ、編集部のみんなと話していて思った。

単に「あれが良い」「これは意味がない」とうだうだ言っていても、永遠に日本人の消費のあり方や働き方は変わらない。

どうせ日本社会は欠点だらけ。まずは「ものは試しに」やってみよう。2月24日の1回だけ、午後3時にみんなでオフィスからいなくなろうと決断した。

ハフィントンポストの広告やビジネス部門の仲間、そしてアルバイトのStudent Editor(学生編集者)も賛成してくれた。学生は時給計算で給料を払っているので、早く帰ってしまうとお金の分では損だ。特別に補填することも決めた。

【ハッシュタグ「#みんな3時に帰れる?」でつぶやいてください。ハフィントンポストのメンバーもオフィスからいなくなったあと、何をしたかを投稿します。】

■ひみつの作戦

over work

2月24日の午後3時、みんなでオフィスを引き上げる。記事を書く人がいないと、ニュースが出せなくなる......。実は、不安でいっぱいだ。

私たちニュースサイトは常にリアルタイムで最新の情報を提供するのが使命。午後3時以降、情報の更新が止まってしまうのは大打撃だ。

それでも、勇気を出して「やってみよう!」と決断したからには、工夫あるのみだ。まず午前9時半に「朝会」を開き、その日に書けるお互いのネタを持ち寄り、お互い助け合いながら、出来るだけ多く午前中に記事をつくる。

次にそうした記事をPRするための、FacebookやTwitterの文章を作っておく。すぐにそれを使わず、機械に登録しておいて「予約投稿」という仕組みを使って、午後3時以降に自動的に流す。そうすれば、人がいなくとも、新しい情報を読者に提供できる。

報道機関としてどうしても報じざるを得ない政治や経済のニュース、あるいは人の命や生活に関わる災害のニュースは、一報が入った際、編集長判断でみんながスマホで見ているチャットツール「slack」に投稿し、エディター(編集者・記者)に書いてもらうつもりだ。その分、ほかの日に代休を取る。

お互いに、緊急なもの以外の連絡は控え、取材先や取引先へのメールの返事も出来るだけ月曜日まで待っていただく。

■さっそく課題が...

everyone

言い出しっぺの私自身、どうしても外せない仙台への出張が入った。仕方ないので予定はなるべく入れず、夕方以降の会合だけにとどめておき、午後3時以降はちょっとした観光をするつもりだ。完全にスパッとは休めなくなったが、なんとか工夫はしたい。

編集部員の中には、その日にしか会えない取材先のアポが入ったメンバーもいる。「みんなが必ず休まないといけない」と強制力のあるルールにしてかえって心の負担が増えれば、本末転倒だ。

「出来ることだけやろう」「社員の7割〜8割ぐらいがプレミアムフライデーを体験できれば成功」とゴールを緩く設定することにした。

準備を始めてすぐ分かったが、プレミアムフライデーのためのスケジュール調整だけで、あれこれ苦労は多い。本格的に導入するとなると、就業規則を変えないといけなかったり、金曜日の早引きのために別の日の労働時間が長くなるリスクがあったり、課題は多そうだ。これだけで、すぐに「働き方」が変わるとも思えない。

旗振り役の国や経済界に対しては、拙速な感じを受けなくもないが、批判ばかりをしていても仕方ない。まずはやってみる。ハッシュタグ「#みんな3時に帰れる?」で当日の動きを読者にも報告し、一緒に悩んで考える。

プレミアムフライデーという「共通の話題」を通して、私たちの働き方をちょっとでも良くするヒントを見つけ出したい。みなさんはどう思いますか?

【ハッシュタグ「#みんな3時に帰れる?」でつぶやいてください。ハフィントンポストのメンバーもオフィスからいなくなったあと、何をしたかを投稿します。】

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