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薬のプロが教えるサプリメントの選び方。 (山浦卓 薬剤師/医学博士)

2014年04月25日 21時14分 JST | 更新 2014年06月23日 18時12分 JST

■多くの人がサプリ選びを失敗している。

先日私の薬局に慢性病を患う方が訪ねてきた。症状に気付いた頃からウェブやテレビ、健康誌等で情報を集めて、漢方薬や高価なサプリメントを購入して飲み続けているが、一向に症状が改善しないという。

問診の結果から、服用中の漢方薬がそもそも体質には合っていなかったことと、併用していたサプリメントの成分が栄養素の補佐程度の働きしか期待できなかったことが判明した。そこで一切の使用を中止した上で、体質と症状に合った機能性食品と漢方薬を組合せで提案したところ、服用開始から1週間もかからず8ヶ月以上も続いた不快な症状が軽減し、一切気にならない日すらあるとのことだった。(栄養素についてはこちらに詳しく説明した

■薬食同源

正しい食事を心がけることが健康の源であり、食事が乱れると病気になる、病気になったならば食事を正すことが病を治す第一歩になる、ということを示した「薬食同源」の考え方が古来中国にあった。

【薬食同源】

食は命なり

食間違うときは病發す

病發しても食正しければ病治す

よって薬食同源なり

そしてまた漢方薬も所詮は「薬」であり「食」ではない。薬である以上は「毒」にもなり得る。決して万能ではなく健康づくりの礎に位置づけることはないことも是非知っておいて欲しい。漢方薬ならば副作用も少なく安全だろうと、口から入るものを安易に選択してはいけない。

体の基礎づくり・体質改善に用いるための第一選択は何は無くとも先ず「食」である。子どもの成長を願う親が「元気で健康な大人になれるように」と、バランスの良い食事よりも漢方薬を優先して与えることはない。今日食べたものが消化・吸収されて、明日の血肉や骨として人の「健康」を形成していく。

■甘言に注意して。

現在はテレビや雑誌等の従来型のマスメディアはもちろん、とりわけネット検索をすると誰でも色々な事柄を簡単に調べることが出来る。しかし周知のように、ネットで調べられる情報は玉石混淆であることから、素人がその真偽・信ぴょう性を確かめることは困難かつ限界があるということを常に認識しておかなければならない。...「今話題の」「日本初上陸」...など耳触りの良い表現に煽られないよう注意が必要だ。

油断しがちだが、漢方薬やサプリメントのような商品は消費者にとって馴染みのある名前でも実はその内容を容易には理解し難い。しかもそれを口から摂取するというのだから、本来かなり慎重に選ぶ必要がある。先述した方のように「良かれと思って使用した商品が期待した効果を示さなかった」というだけならまだしも、「効果が無いばかりかむしろ症状が悪化した」「これまでに無かった症状(副作用)が発現した」という方も珍しくないからである。

■情報の出処を確かめよう。

そこで、「効く・効かない」という話以前に、「副作用の心配が無い」ということを前提に、詳しく説明をしてもらえる相談専門の薬局の出番となるのだが、残念なことに相談専門を謳う薬局の中にも、薬とサプリメントの区別もままならず、流行りもののサプリメントや、メーカーと組んだ推売品ばかりをゴリ押ししてくる業者が少なからず居るのが現状だ。

見栄えの良いパンフレットやチラシで誘って決して安くない商品を強く勧める、あるいは消費者の質問に対して薬の効用を説明している能書に書かれていることばかりを回答し、その商品の価値について学術的な根拠を添えた説明が出来ない。このようなお店での購入は絶対に避けるべきである。

また、その内容を良く理解出来ていない商品を、ネット通販等で購入することも当然危険である。自身や家族が摂取する品物を購入する際には、責任の所在等を確認して、信頼できる薬剤師等から納得いくまで説明をしてもらうこと。真摯なお店ならば電話相談なども可能なはずだ。いずれにせよ厳しい目で相談先・購入先を選んで欲しい。

漢方薬・サプリメントに関しては以下の記事も参考にされたい。

漢方薬の名称から、その正しい飲み方を知る方法

ダイエット時に服用した漢方薬や、または医師から出されているお薬は、一生飲み続けないといけませんか?

【見直される食の機能性】6大栄養素と非栄養素、それぞれのはたらき

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山浦卓 漢方サント薬局 薬剤師 医学博士