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行革推進本部の仕事

2014年09月19日 22時51分 JST | 更新 2014年09月19日 22時57分 JST

自民党の行政改革推進本部の大きな仕事の中に、中長期の財政見通しをつくることと来年度の予算に向けた無駄撲滅があります。

政府は、国と地方を合わせた基礎的な財政収支の赤字を対GDP比で、2010年度と比較して2015年度に半減させ、2020年度には国と地方を合わせた基礎的財政収支を黒字化するという財政健全化目標を掲げています。

基礎的財政収支(プライマリーバランス)の赤字とは、国債の利払いを除いた歳出を、国債を除く税収その他の歳入で賄えない部分をいいます。

2010年度の基礎的な財政収支の赤字は対GDPで6.6%でした。ですから、2015年度、つまり、来年度の基礎的な財政収支の赤字はGDP比で3.3%までに抑えなければなりません。

内閣府の試算によると、アベノミクスにより経済が好転すると、2015年度の基礎的財政収支の赤字は、3.2%になる、つまり目標は達成できることになっています。

しかし、その後はあまり改善できず、このままでは2020年度の黒字化は困難という見通しです。来年度以降、2020年度に向けて、歳入と歳出をどうバランスさせていくのかというのが中長期の財政見通しです。

そしてそのための一里塚として来年度の財政健全化目標を達成することは非常に重要です。

内閣府の2015年度の基礎的な財政収支の赤字がGDP比で3.2%におさまるという試算の前提は、2.8%の経済成長、歳出は社会保障費の自然増以外は一切なし、法人税減税は入れていないというものです。あまり現実的な数字ではありません。

2014年度の予算は、基礎的財政収支の対象になる歳出が72.6兆円。(それに国債費の利払い23.3兆円を加えて歳出合計は95.9兆円)

ちなみに2014年度の税収は50兆円。

2015年度は、税収が55.6兆円と仮定して(法人税減税は入れていません)、基礎的財政収支の赤字目標を達成するためには、国債費を除く歳出を74.4兆円に抑える必要があります。

つまり2014年度と比べて、1.8兆円の歳出増で抑える必要があります。

社会保障費の自然増が8300億円、消費税を含む税制改正に伴う社会保障の充実で見込まれるのが約1兆円。ここまでで、合計1.8兆円になってしまいます。

概算要求では社会保障の自然増8300億円、地方交付税と義務的経費は前年同額、そして裁量的経費(14.7兆円)は10%削減をベースにしています。

これにより、新しいことをやるための枠として1.47兆円が確保されましたが、各省庁からの新規要望は3.88兆円。

さらにその外に「事項要求」とよばれる金額はまだ入れていないけれど、こういうことをやる必要がありますよという要求として、整備新幹線、地方創生交付金などがあります。

さらに、ここでいう基礎的財政収支の歳出は、予算に計上したベースではなく支出ベースで計算されるので、2014年度に補正予算が組まれ、その執行が2015年度にずれ込むものがあれば、その金額も2015年度の歳出として計算されます。

2015年度に補正予算が組まれれば、2015年度中に執行された金額は当然、計上されます。

法人税減税はここまでの計算には入っていませんから、やればその分、歳出の上限は下がることになります。

ということで、目標は達成できるという楽観的な内閣府の試算は発表されていますが、2015年度の基礎的財政収支の赤字半減は、極めて厳しいのが現実です。

そのために、社会保障の自然増8300億円分の歳出が増えるのを当然の前提とせず、社会保障から行革推進本部で見ていこうと思います。

先に無駄撲滅プロジェクトチームで出した提言のジェネリック医薬品の徹底など、社会保障分野でやれることを、まず、きちんとやっていただかなければなりません。

そしてそのうえで、あらゆる予算を見直しててきます。

(2014年9月19日「ごまめの歯ぎしり」より転載)