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モテない男子高生が政治家を志し、ルイ・ヴィトンに入ったワケ おときた駿・東京都議

2016年04月16日 16時09分 JST | 更新 2017年04月15日 18時12分 JST

政治家を目指す若者が新卒で就く仕事、と聞かれたら、あなたは何を思い浮かべるだろうか。官僚、実業家、銀行員、有名政治家の秘書...。様々な選択肢はあるだろうが、「ルイ・ヴィトンの会社」を選ぶという人はなかなかいないのではないか。

2013年より東京都議会議員を務めるおときた駿さん(32)は、大学卒業後LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループで7年間のサラリーマン生活を経て、政治の世界に身を投じた。彼は、なぜそのような異色の道を選んだのか。

―おときたさんが政治家を志したきっかけは何ですか?

僕は、女の子にモテたいからです。

―本当ですか? これ書いても大丈夫ですか(笑)?

全然いいですよ(笑)。いっぱい書いてますから大丈夫です。まあ、あくまできっかけですからね。

―それは、いつ頃からですか?

政治家になろうと思ったのは大学生の時です。僕は女の子にモテたかったんですけども、高校は男子校で、海城高校というところだったんですが、スクールカーストの底辺にいたので女の子にモテず、ギターを弾けばモテると思っていたんですが弾いてもモテず、もうこれは抜本的な改革が必要だと思って(笑)。

女性にモテるためには、女性のために働くとか、そういうことをしなければいけないな、ということは思っていました。僕は早稲田の政治経済学部に進学したんだけども、女性と政治をテーマに研究を始めたんです。すると、歴史上、社会において女性が政権取ったことって一回もないことがわかったんですよ。

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―日本社会で、ですか?

いや、世界的に。メルケルだろうがサッチャーだろうが卑弥呼だろうが、女性が男性社会のトップを取ることがあっても、女性が主導権を握って意思決定した社会は人類史上なかったんです。

僕はこれって非常にもったいないことだと思っていて、半分の可能性が眠っているのに、そこを見ていない訳ですから。そこで、女性がトップを取った社会を見てみたい、ひいてはそういう社会をつくれば僕はモテるようになるんじゃないか、というよこしまな気持ちを持ちました。

それで、こういうルールを変えるのってやっぱり政治なんですよ。経済はそもそも男性がつくったルールで動いているので、24時間365日戦う奴が強くて、女性みたいに人生で何ヶ月間か妊娠・育児をしたり、1ヶ月に一回生理が来てコンディションが落ちるっていう人は勝てない。

政治がルールを変えないと、女性が力を持って、女性が政権を取るということはできない。そういう社会をつくるためには政治家になるしかないと思って、政治家になることを決めました。

―誰か、目指す政治家の方がいたということではないんですか?

そうですね。別に「あの人がいたから政治家になろう」とか思った訳ではないです。やっぱり、いきなり女性社会にはできなくて、男性側から「次は女性だ」と権限委譲が始まって、女性総理にバトンタッチするという政治家が必要になる訳ですよ。

僕の人生の目標はそこで、「おときた総理大臣が女性総理大臣にバトンタッチしたから、今の社会が生まれたんだよね」ということになると、歴史の教科書とかに載るじゃないですか。そうすると、歴史スパンでモテる訳ですよ。死してなおモテる、みたいな(笑)。そういう存在になりたいですね。

―おときた総理大臣が女性総理大臣に譲ったということだと、男性社会で女性が、ということにならないですか?

今度、稲田(朋美)さんが総理大臣になるとか言われているけど、それはたぶん、男性社会で「稲田さん人気あるし」ということだと思います。そうならないように、女性の閣僚や国会議員が半分くらいに増えていて、然るべきタイミングでバトンを渡すというのがベストですね。

アメリカも今そういうムードになってきていて、まずはオバマが黒人初の大統領になって、次は初の女性大統領か、みたいな。だんだんマイノリティがボリュームを増やしていって、本当に権限委譲が生まれています。

日本で言うと、次は若者が差別されているので、僕がまず40代くらいで史上最年少の総理大臣になって、その次は初の女性総理が生まれるという段取りで、社会の権限委譲がおっさん男性から若者男性に行って、最後は女性に行くという流れがつくれると理想的ですね

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―おときたさんご自身の話に戻りますが、どうして新卒でルイ・ヴィトンの会社に入られたんですか?

「なんでルイ・ヴィトンから政治家?」ってよく聞かれるんですが、僕は逆に政治家になるために動いていました。女性のための社会をつくりたいという目標があったので、女性が社長で、従業員の9割くらいが女性で、管理職も女性の方が多い会社に行こうと思ったんですよ。

そういう会社がどういう意思決定をしていて、どういう社会構造なのかをフィールドワークしておけば説得力が出てくるので、実地体験しておこうと思って。22歳でまだ選挙出られないし、せっかくだからそういう会社に入ろうと思って、化粧品とかブランドとか、そういう会社ばっかり就職で受けていました。それで、ご縁があってルイ・ヴィトングループから内定をいただいたので、そこに就職しました。

意外と一貫しているんですよ(笑)。

―お話を聞いていると、その通りですね。さらにその前に戻って、学生時代は何をされていましたか?

ずっと学園祭実行委員をやっていました。

―それも何か今の活動に影響したりしていますか?

やっぱり影響していますよね。早稲田祭ってたぶん2日間開催では日本で一番人が来るところで、実行委員会は400人くらいスタッフがいるんですが、400人もいる組織で一人ができることなんてない訳ですよ。学園祭の運営ってすごく地味だし、いかに歯車に徹するかというところがあります。

政策実現もそうで、議会の127分の1なので、別に自分なんかいなくてもいい訳です。でも一つの歯車が欠けたらダメなんだよねっていう状況をどうつくって、その一つの歯車からどうムーブメントを起こして、自民党みたいな組織を動かすかっていうところは、その学園祭の運営に原点があって、仕事のスタイルにも通じている気がします。

―最後の質問ですが、今の学生に対してメッセージがあればお願いします。

学生時代にしかできないことがあるので、何かに本気で打ち込むっていうことですね。「何か」って何かというと、時間をたくさん使うこと、みんなで一緒にできること。たとえば、一人旅って大人になってもできるんですけど、10人で1週間旅行に行こうというのは、学生しかできないんですよ。

時間と人数っていうのは、学生しか使えないすごい存在です。自転車で北海道から九州まで旅行しようとか、さらにそれを10人でやろうとか、学生しかできないことで...。

―絶対日程合わないですね(笑)。

絶対日程合わない(笑)! 温泉旅行に行くのだって社会人は超大変なんだから。休日出勤だとか、子どもが生まれたから無理とかいうことになっちゃいます。

学園祭では400人でミーティングして、400人で合宿行ってた訳ですよ。それってもう絶対に人生でできないことだから、時間と人数を豊潤に使えることに学生生活を費やすと、「あの時がいかに貴重で、みんなで何かするのはすごいことなんだな」と後でわかるので、そういうことをたくさんやっておくといいんじゃないかと思います。

―ありがとうございました!

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(聞き手・文:井手佑翼 聞き手・写真:須田英太郎

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(2016年4月8日「東大新聞オンライン」より転載)