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ハフポスト日本版1億PV突破、私たちが目指すこれからのジャーナリズムのあり方

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スタートから約2年。ハフィントンポスト日本版が、月間PV(Webページが閲覧された回数)1億を突破しました。読者のみなさま、そして日ごろよりハフィントンポスト日本版を支えてくださる関係者の皆様に、この場をかりて心よりお礼申し上げます。

1年半前に編集主幹に就任したとき、編集スタッフの皆さんに伝えたのが、「まずは日本で唯一無二の国際ニュース発信メディアになりませんか」ということでした。テレビ報道の仕事をしている私は、常日頃、時間に制限のあるテレビニュースが国内ニュースに偏りがちな状況にストレスを感じていました。海外に行くたびに目にするトップニュースと、日本のトップニュースのギャップ。自分たちがメインで取り上げているニュースは、必ずしも世界各国の人たちの関心事と違う。英語ではなく、日本語でそうしたニュースにアクセスできるメディアを求めているのはきっと私だけではないという確信があったのです。数多いニュースサイトの中で、後発のハフポストにとっても必要なブランディングに思われました。

当初、「国際ニュースはあまり読まれない」と体感していたスタッフは当惑したようでしたが、なによりその恵まれた条件を活かして、すぐに魅力的な記事を発信し始めました。

10年前、アメリカで誕生したハフィントンポストは、7月にスタートしたアラブ版を加えて、現在14の国と地域で展開しています。さらに、8月にはオーストラリア版も設立予定。さらに、10-12月期にメキシコ版と中国版をローンチし、年末までに合計世界17カ国・地域に増える予定となっています。ITの世界にありながら、「会って話す」ことを大切にする創業者アリアナ・ハフィントンの意向もあり、私たち編集主幹・編集長は年に数回世界各地で集合し、意見交換をすることでお互いの理解を深めています。異なる文化をリスペクトしながら、率直に意見をぶつけあう「ハフポスト・サミット」は、さながらリトル国連のような雰囲気ですが、このつながりの深さを最大限に利用して、私たちは各国のニュースをいち早く日本の皆さんに伝えることができるのです。また、各国で反響が大きかったり、たくさん読まれたブログもスピーディーに翻訳できるので、日本の読者も時差なく、世界各国の人たちが関心をもつ記事にアクセスすることができます。

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「ハフポスト・サミット」で集合した各国版の編集主幹・編集長

こうした「個性的な国際ニュース」と並んで、ハフポストの顔になっているのは、「テーマを絞った提言記事」です。単に国内外のニュースを伝えるにとどまらず、いくつかのテーマにスポットをあてて取材をし、積極的に問いかけ、提言をしています。スタート以来、ハフポスト日本版は、人口の層が厚いにも関わらず、あまり声が聞こえてこないといわれていた「団塊ジュニア」にターゲットを置き、彼らが日常的に直面する「子育ての悩み」や「ワークライフ・バランス」に焦点を当ててきました。実はこうした問題は、日本社会が根本的に改善していかなければならない課題の映し鏡でもあり、結果的に団塊ジュニアのみならず、さまざまな世代の方から大きな反響をいただきました。さらに2年目は、こうした問題の背景にある「ダイバーシティ」(多様性)を大きなテーマに掲げ、職場、子育て、介護の世界はもちろんのこと、LGBTについても積極的に取り上げてきました。今年に入って、渋谷区で同性パートナー条例が成立するなど社会的気運も高まり、LGBT関連の記事も多くの支持をいただいています。

今後さらに強化していきたいのは、独自取材によるスクープ記事です。ハフポストというと「アグリゲーション・メディア」と言われますが、スタート以来、ハフポスト日本版スタッフによる取材記事も大変好評をいただいています。アンネの日記破損事件(2014年2月に東京都内の図書館などでアンネ・フランクに関する書籍が破られた事件)は、ハフポスト日本版の猪谷記者の取材から発覚し、大きな社会的関心を集めました。さらに、この、夏大騒動になった新国立競技場問題も、ハフポスト記者が昨年から地道に取材発信を続けてきたもので、問題が他のメディアで取り上げられた後も多くの方に読んでいただいています。ビデオ部門にも力を注ぎながら、ハフポスト発で社会に影響力のある取材記事を発信していきたいと思っています。読者の皆様からの情報やご意見もお待ちしております。

世界各国の編集主幹・編集長が集まる「ハフポスト・サミット」で、現在テーマになっているのが、「これからの時代のジャーナリズムのあり方」です。アリアナ・ハフィントンは「人々の生活を向上させるために、ジャーナリズムはネガティブなニュース発信ばかりでなく、肯定的な役割を負わねばならない」と訴えます。それを受けて、私たち日本版も2015年「ハフポスト・ライフスタイル」を立ち上げました。ご紹介した3つの軸に加えて、各国とさらに連携を強め、それぞれの文化と知恵を活用し、人々の心と生活が豊かになるような記事を発信していくことにも力を入れていきたいと考えています。

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「ハフポスト・サミット」の会合

なにより、ネットメディアの強みの一つは、新聞・テレビなどのレガシーメディアでは埋もれてしまいがちな声を、「聴こえる声」にすることだと思います。これからも「埋もれがちな小さな声を、聴こえる声に」という思いを大切に、より多くの方に期待していただけるメディアになれるようスタッフ一同、がんばっていきたいと思います。

今後とも引き続き、ハフポスト日本版をよろしくお願い致します。