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「会社に不満があるなら、まず自分を変えなさい」は本当か

2014年07月03日 18時11分 JST | 更新 2014年08月31日 18時12分 JST
Fotosearch via Getty Images

よく言われる話である。たしかに正しい時も多い。しかし常に正しい訳では無さそうである。 例えばこういうシーンを想像してみよう。 ある技術者が、会社に在籍7年、技術一筋でやってきたところ、営業への転向を言い渡され、営業部に異動することになった。

(これは現実的に起こりえない話ではない。実例として、シャープは2012年、生産・研究部門の社員900名を営業へ配置転換している)

営業は、技術者にとって未知の世界であり、スキルを身につけるには時間がかかる。 ただ、長期で見れば顧客の視点で自分たちのサービスを見るのは決して悪い選択ではない。

果たして、会社に従って営業を頑張るべきなのか、それとも、不満を押し殺さず転職を考えるべきなのか。 はたまた会社にしがみついて、時期を待つべきであろうか。

もちろん簡単に答えは出ない。しかし、まず認識が必要なのは、「どんな仕事であっても、一流になるにはとても時間がかかる」ということだ。

従って、営業としてキャリアを改めるならば、その仕事を極められるのは30代後半である。 そして、その頃には転職をしたいと思っても、選択肢は今よりは少ないだろう。従ってその後の会社員としてのキャリアは「営業として」ということになろう。

かの有名な古代中国の思想家である孔子は、「40にして惑わず」と述べたという。逆に言えば40代で迷っているようではダメだ、ということだ。

誰にとっても40代間近での決心は一大決心である。したがって、軽はずみに「営業をやります」とはカンタンに言えないはずだ。

不本意な仕事、つまらないと思う仕事は誰も避けて通れない。だがもし、「 自分はテレアポは苦手だ。テレアポは経験のために1年やるのはいいが、5年やるものではない。」と思うなら、1年経ったらすぐやめていいのだ。

もちろんテレアポで一生食って行くなら別であるが、人生の貴重な時間を、浪費するわけには行かない。

とどのつまり、一流になるには自分の仕事を慎重に選ばなければならない。余計なことをしている暇はないのである。

何事も、楽しくやれなければ長続きしないし、一流になるには血のにじむような努力が必要だ。そのように 自分を変えるのは並大抵の努力ではできない 。

故スティーブ・ジョブスは言った。「もし今日が人生最後の日だとして、今日やろうとしていることは、本当に私がやりたいことだろうか?それにノーという日が続くと、そろそろ何かを変える必要がある」

何が役に立つかは現時点ではわからない。営業が役に立つかもしれない。役に立たないかもしれない。

だから、 本当に自分を信じれば、迷うことはない。自分がしたい仕事、一生懸命真剣に出来る仕事だけをすればいいのだ。

そう考えれば、今の会社にとどまる理由もないのかもしれない。

自分に問いかけてみよう。もし自分にやりたいことがまだ見つからないなら、与えられた仕事でまず一流を目指すかどうかを決めれば良い。

それが嫌なら、どの仕事で一流を目指すか、早く選択しなくてはいけない。決断は早ければ早いほど一流になれる可能性が上がるのだから。

もし会社に不満があるなら、自分を変える前に、自分が何をしたいのか、「選択すること」「決断すること」が要ではないか。自分を変えるのはそれからでも遅くない。

(2013年4月1日Books&Appsに加筆・修正)