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星野雄三 Headshot

「まだ鼠蹊部圧迫してるの?」〜伝統下着ふんどしに私たちが熱中しているわけ〜前編

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「ふんどしを作って、世界で売っていきます」

と、人にいうと大抵の人は驚くか、笑ってしまうか、どちらかの反応を示します。

「世界に通用するアパレルをやりたいです」とか「海外でビジネスをしています」と聞いて笑う人はいないと思うのですが、ふんどし、と聞くとなぜか人は笑顔になるようなのですね。もちろん嘲笑のような笑いをする方はゼロとは言いませんが、多くの方はふんどしというものに興味を持ってくれています。


なぜ、こんなに一枚の布に情熱を注げるのか〜ふんどし部を立ち上げたワケ〜

代表である星野は、もともとイタリアにスーツ文化を学び、もっとオーダースーツが盛り上がるような事業をしたい、と思って去年まで留学をしました。

その動機としては、オーダースーツが好きであった一方で、日々イタリアでは職人が引退し、後継者がいなくなる様を見て、こうやって世界が効率化していく中で、失われていく伝統文化の継承者はどうしたら生き残れるのか、という解決策を見出したくて、イタリアのスーツ文化を学ぶことを決意しました。

ただ、合理的に考えたらほとんどの作業を手仕事で行うオーダースーツは酷な言い方をすれば、不毛な仕事です。

わざわざ全て手仕事で作るなんて現代的な価値判断で言えば、無駄が多すぎるし、効率化し、価格を下げ、しかも技術に(ほとんど)完成品に近づけることは例えば3DスキャンとCADを使えばたやすく可能となります。

しかし、一方でそれって悲しいことだと思うのです。一見、非効率なもの目に見えない価値が存在することは多々ありますし、例えば、一時的にデジタル・機械の手に委ねた後に結果的に人間性を調和させてあげるなどして、現代的な生き残り方法を模索できないのだろうか、ということを日々考えてながらイタリアで生活していたのでした。

しかし、結果から言えば表面的な知識は増えたものの、イタリアにおける留学ではほとんど自分が望む成果を出すことはできなかったと思います。

留学した方の中には共感してくれる方もいるかもしれませんが、何も成果が得られず外国でいたづらに時間が過ぎていく、とはなかなか孤独なものです。「所詮、外国の伝統産業に対してよそ者が何かできるわけなんてないんだ」なんて思ったこともよくあります。

その間、趣味的な活動として、同時にふんどしを広めていたのですが、スーツの話をしても大して興味を持たれない一方で、ふんどしの話をするとヨーロッパ人は俄然興味を持つのですね。文化的な興味を持ってくれる。

実際にどう言う反応が得られるのか、を確認すべく。パリのJapan expoやイタリアの生地の展示会でふんどし姿で現れた時もありましたが、その際は人々は一つの表現として評価してくれる様がありました。

スーツとは日本では制服としての意味合いがあまりに強い衣服ですが、海外ではむしろ自己表現や男の魅力を見せるための服として認識されます。

特にJapan Expoでは「Fundoshi Free Hug」という非常識な企画をやったのですが、思った以上に反響がありました。

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(当時はHundoshiと名乗ってしまっておりました)

衝撃的だったのは、夏の猛暑にもかかわらず、浴衣の女性には大して関心を示さず、汗だくの男には老若男女がフリーハグを求め、ありがたがっていた、ということです。何かふんどしとのつながりが前世にでもあったのでしょうか・・・。

こうしてスーツに関しては結果を出せなかったものの、彼らの反応を見て、じょじょにふんどしへの情熱を高めて、留学中にふんどしを世界に売ることを決意します。

その後、私は日本に帰国し、副代表の野田にも声をかけ、私たちは「ふんどし起業」に至ったのでした。

後編「伝統文化の課題はどのように価値を「ズラす」かと言うこと」に続く。

http://fundoshibu.com/