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18議席を獲得したギリシャ極右政党、国会でも「大暴れ」

2013年05月21日 15時55分 JST

ギリシャの国会で5月17日(現地時間)、対立する政党どうしが激しい言い合いを繰り広げた末、ネオナチ政党「黄金の夜明け」(Golden Dawn)の国会議員パナギオティス・イリオポウロス氏が「ハイルヒトラー」という叫び声に包まれながら退場させられるという一幕があった。

黄金の夜明け党は、2012年6月にギリシャ議会選挙で18議席(6%)を獲得した政党だ。この選挙で同党の移民排斥の主張が受け入れられたことに、欧州の人々は驚いた。[黄金の夜明け党は、移民排斥を訴え、時折暴力事件(ヘイトクライム)を引き起こしている。また、ホモフォビアを掲げ、ゲイパレードを襲撃したことがある。ホロコーストの存在も否定している]

イリオポウロス氏が退場を命じられたのは、ギリシャの急進左派連合「スィリザ」(SYRIZA、現在総議席の24%、第2党)を侮辱した後のことだったと、ニュースサイト「Ekathimerini」は報じている

Euronewsによれば、イリオポウロス氏は、度重なる警告にもかかわらず、「バカ」「ろくでなし」「卑劣な奴ら」といった言葉で他党の議員を口汚く罵り続けたという。その後、警備員らが呼ばれ、同議員は強制的に退場させられた。

その混乱の模様を撮影した動画を見ると、「ハイルヒトラー」と叫ぶ声が何度か聞こえる。ただし、この挑発的な言葉を発したのが実際に誰なのかはよくわからない。

AFPによれば、国営のAthens News Agencyは、「ハイルヒトラー」発言の主は黄金の夜明け党の広報担当者クリストス・パパス氏だったと報じている。黄金の夜明け党はこの疑惑を否定しているが、パパス氏は過去にもアドルフ・ヒトラー氏を称賛する発言をしたことがある。

Ekathimeriniは、国会議事録を調べたところ、ナチスの指導者ヒトラーについて最初に言及したのは、スィリザ党の国会議員クリストス・パンザス氏だったと報じている。だがスィリザ党は、黄金の夜明け党による侮辱的な発言をすぐさま非難するとともに、この事件の責任は同党にあると主張した。

「国会の中で黄金の夜明け党の議員によるヒトラー称賛発言が聞かれたのは、今週で2度目だ。奇妙なことに彼らは、ヒトラーを称賛して物議を醸し出していると見られることを避けるため、この言葉を口にしたのは私の方だと当てつけがましく主張した。だが、この主張は、彼ら自身の証拠によって否定されている」と、スィリザ党の国会議員スタボロス・コントニス氏はEuronewsの取材に対して語っている。

AP通信によれば、欧州評議会の人権委員会委員長は5月中旬、ギリシャで増加する移民をターゲットにしたヘイトクライムの取り締まりを一層強化するために、同国には黄金の夜明け党の活動を禁止する法的権利があると述べている。[以下の動画では、黄金の夜明け党員たちが、夜店を開く移民を攻撃するシーンなどが紹介されている]

[Meredith Bennett-Smith 日本語版:佐藤卓/ガリレオ]