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"顔出しNG"なのになぜ人気? 顔を見せない歌手の戦略とは

2015年02月13日 00時23分 JST | 更新 2015年02月13日 00時23分 JST
Steve Granitz via Getty Images
LOS ANGELES, CA - FEBRUARY 08: Sia arrives at the The 57th Annual GRAMMY Awards on February 8, 2015 in Los Angeles, California. (Photo by Steve Granitz/WireImage)

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“顔出しNG”なのになぜ人気? 顔を見せない歌手の戦略とは

先日行われた『第57回グラミー賞』の授賞式では、顔を見せずにパフォーマンスをしたシーアが話題を集めたが、日本でもGReeeeN、ClariSなど、ブレイク以降もメディアに一切顔出しせず活動しているアーティストは多い。一方で、「フライングゲット」を歌うシルエット動画が話題となり、デビューアルバムでTOP10入りを果たしたGILLEのように、顔を見せる活動スタイルに切り替えたアーティストもいる。普通に考えると顔出ししたほうが活動しやすい気がするが、“顔出ししない”アーティストは将来的に顔を見せるべきなのだろうか? メリットとデメリット、両方の側面から考えていきたいと思う。

■アーティスト戦略としては不利

“顔出ししない”といっても理由は様々だが、日本の場合はプライベートの事情やプロモーションの戦略、という理由が多い。2010年にメジャーデビューして以来、イメージイラストのみで登場し、メディアやコンサートなど一切顔を見せてこなかったアニソンユニット・ClariSは、デビュー当時は中学生だったという事情もあって、基本的なプロフィール以外を伏せて活動。この1月に出演したアニソンイベント『リスアニ!LIVE-5』では「ついに顔出しか!?」とまで言われていたが、ヴェールを被り、強い逆光に照らされていたため、結局顔は識別できず、いまだ素顔は明かされていない。ClariS同様、GReeeeNもアーティスト活動と並行して“歯科医”を営んでいることが、顔出しが実現しない理由のひとつであることが知られている。

顔出しをしないことによるデメリットとしては、まず第一にテレビでの歌唱パフォーマンスができないなど、プロモーションの場が限られていることが挙げられる。また、普通のアーティストのように新譜を出した後、イベントやツアーで全国をまわる、という手法がとれないため、コアファンをどう定着させていくか? というのは常についてまわる課題だ。アーティストの戦略を立てる上で致命的とも思えるが、GReeeeNやClariSはこうしたデメリットを払拭し、固定ファンを獲得している。その理由はどこにあるのか。

■顔が見えないことで思い描く“理想のアーティスト像”

まず大前提としてあるのが「楽曲の良さ」。これはどのアーティストでも同じなのではと思うかもしれないが、ルックスでのアピールができないと、情報量ゼロの状態のリスナーはどうしても音に集中する。その不利な状況を埋められるほど、聴覚に熱く訴えかけてくるようなインパクトのある楽曲が求められる。

また、以前、GReeeeNの担当者に話を聞いたときに、とても印象的だったことがある。彼らが2012年、NHKホールで初のファン感謝祭『緑一色歌合戦』を実施したときのことだ。同イベントは初のリアルイベントとなったが、これまでのスタンスを貫き、メンバーがステージに上がることはなかった。しかし、生電話で肉声を聞かせたり、姿や動きを映像で細かに表現できるモーションキャプチャーで登場したりしたところ、感極まり涙するファンもいたという。そのポイントは“いかにファンのイメージを壊さずにリアルに近づけていくか”ということ。聴き手がそれぞれ“理想のアーティスト像”を思い描けたことが、熱狂的なファンを獲得した要因のひとつなのだ。

最近はネットでアーティストのパーソナルな部分を知ることができるようになり、これまで遠かったアーティストも身近な存在となった。しかし、これはある種“ファンタジー”な存在だったからこそ抱いていた憧れ、カリスマ性が薄れているということもである。その点、顔出ししないアーティストは、見せないからこそのカリスマ性を持っている。そのカリスマ性を保っていくためには、顔出ししないことによる“想像の余地”を残しておくことが重要なのではないだろうか。

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