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厚切りジェイソン 日本の企業風土に"Why?" 「自分の頭では考えないでください、という環境」

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ATSUGIRI JASON
TOKYO, JAPAN - NOVEMBER 08: Comedian Atsugiri Jason attends the book signing at Shibuya Tsutaya on November 8, 2015 in Tokyo, Japan. (Photo by Jun Sato/WireImage) | Jun Sato via Getty Images
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厚切りジェイソン 日本の企業風土に疑問

現役のIT企業幹部でありながら若手お笑い芸人でもある厚切りジェイソン。SNS上でのフォロワーとの真摯なやりとりをベースにした初の書籍も話題だ。いわば“異国”で活躍する彼ならではの視点から、アメリカと日本の企業風土やエンタメ文化の違いなどを語ってもらった。

Twitterなどに寄せられるフォロワーからの悩みや愚痴に対して、時にはシンプルに、あるいは丁寧に言葉を重ね回答する。それをベースに再構成された著書は、基本的に一貫して真摯かつ誠実な内容で、15年11月の発刊以来、増刷を重ね続けている。Twitterフォロワーは、12月時点で26万人を突破したという。

「パッと思いついて返答しているだけですが、意外に共感されているみたいですね。以前から、もっと深く考えを知りたい、本にまとめてほしいという要望はSNSでもよく寄せられていたので、書籍化はうれしい」

SNSで交流するうち、日本人は異常に周囲を気にする傾向が強いと改めて思ったという。

「周りと合わせる、空気を読む、顔色をうかがう、いろんな言い方があるけれど、とにかく自分の頭では考えないでください、という環境です。本音で意見を言い合い、話し合う習慣が少ない。でも、その状況の中で悩んでしまうくらいなら、まず自分から動いて、少しずつ環境を変えてほしい。そう伝えたかったんです」

ビジネスパーソンとしての視点からは、日本の企業風土への疑問も。

「多くの企業は、まず新卒者に今まで受けた教育をいったん捨てさせるでしょう? あれは非常に不思議。大学の専門領域をそのまま活かせばいいのに。高校受験から就職して最初の数年、合わせて10年くらいは単純に時間をロスしていることになる。ダイナシ(苦笑)。例えばアメリカの同じ世代の人と既にそこで10年の差がついてしまう」

実際、その10年にあたる時期。飛び級で入った大学時代にインターンとして日本企業で1年を過ごし、帰国して卒業後は誰もが知る巨大企業で働く。その後、ITベンチャーに転職し、日本支社を立ち上げるため再来日。その間に結婚までしている。

「大学でたまたま選択した外国語が日本語だっただけ。日本企業からの内定をもらって考えてみた時期もあったけれど、アメリカでの内定と初任給が5倍くらい違っていた。一部、変化の兆しもありますが、このままでは、本当に優秀な日本の人たちはみんな海外に逃げてしまうんじゃないかと思うことがありますよ」

■伝えたいことが伝わるまで自信を持って話し続けることが大事

とはいえ、自身は異国の地であえてお笑い芸人に挑戦した。

「お笑い番組を日本語の勉強のために観ていました。特に『エンタの神様』(NTV系)。テロップがネタに合わせて字幕のように表示されて、オチでその色が変わる。ネタも1つずつが短いし、ハードルとしてちょうど良かったんです。なぜこれで観客が笑うのか、という背景も勉強できる。やがてイベント等でも好きな芸人サンのステージを観るようになり、どんどん興味を持っていきました」

音楽や芝居などでは、海外進出の際にやはり言語の壁が大きいが、実はお笑いの分野こそ成功の可能性があるかもしれない、と続ける。

「音楽とか真面目なものは、言語をほぼ完璧に近づけないと、逆にお笑いに見えてしまうということ。先日、とにかく明るい安村さんの英語のネタ作りを手伝ったんですが、微妙にズレてるカタコト英語の方が面白い効果を生むことも多いですね」

今ではコメンテーターなど活動の幅も広がりつつあるという。海外での仕事にとって必須なものとは?

「どんな仕事であれ、大事なのはコミュニケーション能力だと思う。完璧な語学が必ずしも必要というわけではありません。伝えたいことがきちっと相手に伝わるまで、自信を持って話し続けること。以上!」(文/及川望)

(コンフィデンス 16年1月11日号掲載)

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