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「奨学金のため、風俗で働く」をなくす、給付型奨学金への署名運動

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【イメージ写真】Girl (8-9) writing in school classroom | Michael H via Getty Images
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「ママを困らせたくないから働く」「奨学金を返すため、風俗でこっそり働いている」−−。

貧困が原因で進学を諦めたり、奨学金で多額の負債を抱える子どもをなくそうと、返済の必要がない「給付型奨学金」制度の創設を政府に求める署名運動キャンペーン「すべての子ども達に学ぶ機会を!」を2016年5月、複数のNPO団体などが共同で始めた。

参画団体の世話人を務めるNPO法人「キッズドア」では、これまでも貧困層の子どもたちの学習支援などをサポートしてきた。しかし、たとえ進学できる学力が備わったとしても、母親から「働いて家計を助けて欲しい」と言われるなどして、家計の事情から進学を諦めてしまうという例も多く見られたという。

日本の奨学金制度は欧米などに比べて給付型が圧倒的に少なく、卒業後に多額の『借金』返済義務を負う人も多い。2014年の日本学生支援機構(旧・日本育英会)の調査では、昼の大学学部に通う学生のうち51.3%がなんらかの奨学金を受給している(給付・貸与の合計)。一方で、卒業後に収入の減少などで、同機構への返済を3カ月以上延滞している人は2014年度時点で17万3000人、利用者の4.6%となっている。

こうした現状に対し、「キッズドア」の渡辺由美子理事長は「貧困家庭の子は、無利子であっても『借金』を負う奨学金を借りることに対しては抵抗を感じる場合が多い。これに対して給付型奨学金は、経済的な理由で進学を諦めてしまう子どもの数を減らすことができる」と、給付型奨学金の有用性について話している。同団体に、「奨学金を返すため、こっそり風俗で働いている」と打ち明けた子もいたという。

kidsdoor
記者会見で署名のスタートを発表した渡辺さん(中央)、NPO法人フローレンスの代表理事の駒崎弘樹さん(左)、NPO法人しんぐるまざあず・ふぉーらむ理事長の赤石千衣子さん。いずれも署名キャンペーンの世話人。

▪️子どもの貧困率は悪化している

厚生労働省は、およそ世帯の1人あたりが使える額の目安「等価可処分所得」の中央値の半分の額を「貧困線」と定め、その線に満たない世帯を「相対的貧困」と位置付けている。2012年の調査で貧困線は122万円、相対的貧困率は16.1%だった。相対的貧困率が高いほど、経済格差が広がっていることを意味する。

この貧困世帯で暮らす18歳未満の子どもの割合を示す「子どもの貧困率」は2012年の調査で16.3%となり、過去最悪となった。子どもの貧困率は、2009年の前回調査から0.6ポイント悪化し、相対的貧困率を上回った。現在、日本の6人に1人の子どもが貧困状態にあると言える。1985年の調査では10.9%で、日本の子どもの貧困率は悪化している。

経済協力開発機構(OECD)は2015年10月に、加盟する34カ国の2011年前後の子どもの貧困率の順位を公表、日本の貧困率は11番目に高い15.7%(2009年調査)でOECD平均(13.7%)よりも貧困率が高かった。ワースト1位はイスラエルの28.5%で、アメリカは20.5%(ワースト6位)だった。

また、2013年の学力テストを分析したお茶の水女子大の研究発表によると、世帯収入と子どもの学力が強い関係にあることがわかった。また、世帯収入と保護者の学歴の合成変数であるSES(社会経済背景)が高いほど子どもの学力は高いことが明らかになっている。今回の署名キャンペーンでは、貧困の連鎖を断ち切るためにも、奨学金を得て進学することが重要と訴えている。

キャンペーンでは、給付型奨学金の財源として、10年以上出し入れのないまま銀行などの口座に眠っている「休眠預金」の活用を提案。その預金の1割、100億円を得られれば、年間100万円を1万人に給付できると試算している。change.orgのサイト上での署名は2016年5月末までに5万筆を集めることを目標にしており、菅義偉・官房長官らに充てて提出する。

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