藤原紀香さんが語る不謹慎狩り「バッシングを受けて不安だった」

被災地支援などをする著名人には「売名」との批判もついて回る。ネガティブな声にどう向き合い、どう行動したのか。
Japanese actress Norika Fujiwara smiles to the media during a UNESCO charity event in Tokyo April 9, 2007. REUTERS/Yuriko Nakao(JAPAN)
Japanese actress Norika Fujiwara smiles to the media during a UNESCO charity event in Tokyo April 9, 2007. REUTERS/Yuriko Nakao(JAPAN)
Yuriko Nakao / Reuters

藤原紀香さんが語る「被災地支援」「不謹慎狩り」

熊本地震から3カ月半。発生直後、被災地への思いをつづった芸能人のブログなどがたたかれる「不謹慎狩り」が話題になった。被災地支援などをする著名人には「売名」との批判もついて回る。ネガティブな声にどう向き合い、どう行動したのか。

■「バッシングを受けて不安だった」 藤原紀香さん

女優の藤原紀香さん(45)は熊本地震の発生直後、ブログで呼びかけた。「火災防止のためブレーカーを落としてから家を出て」。兵庫県出身で、阪神大震災を経験した。

熊本で続く余震に、「火の国の神様、もうやめてください」と祈るようにつづった。これがネット上で思わぬ批判を招く。「天罰のように受け取れる」――。

東日本大震災の被災地や海外の紛争地の支援を続けてきた藤原さんは、「本当はすぐにでも現地に飛んで行きたかったけど、バッシングを受けて不安だった。周囲からも止められた」。

熊本訪問が実現したのは5月下旬。声をかけたのは福岡と東京、ニューヨークなど国内外で約20のラーメン店を経営する河原秀登さん(49)だった。地震後、「救州ラーメンプロジェクト」と称し、被災地で十数回、ラーメンの炊き出しをする中、「現地でノリの評判を聞いたけど、みんな『来てくれるのなら大歓迎!』と言ってた。次は一緒に行こうよ!」と旧知の藤原さんを誘った。

出来たてのラーメンを手渡すと、被災した人々から「来てくれてありがとう」「生きててよかった」と言葉をかけられた。藤原さんは「実際に現地の人と触れ合い、不安や迷いが消えた。行動を起こしたくても起こせない一部の人たちのストレスが、私たちに向けられたのかもしれないとも感じた」と振り返る。

その背中を押した河原さんは、2004年の新潟県中越地震から被災地支援を始めた。東日本大震災の被災地を30回以上訪問。炊き出しを続けてSNSで発信するうち、芸能人らから「参加させてほしい」と頼まれるようになった。熊本にも、歌手の浜崎あゆみさん、タレントの紗栄子さん、GLAYのTERUさん、氣志團の綾小路翔さんらと訪れたという。

「彼らが炊き出しをして触れ合うと、被災した人々の表情は本当に明るくなる。多くの人から愛されている芸能の分野の人たちには、そういう力があるのです。もちろん、誰一人として嫌がる人はいません」

(朝日新聞デジタル 2016年7月28日21時28分)

(朝日新聞社提供)

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