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「パリ協定」発効へ 地球温暖化防止の国際的枠組み、日本は国会承認間に合わず

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PARIS AGREEMENT
FREDERICK FLORIN via Getty Images
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国連は10月5日、2020年以降の地球温暖化対策に取り組む国際的枠組みを定めた「パリ協定」が11月4日に発効すると発表した。発効の条件となった「締約国の温室効果ガスの排出量が世界全体の55%を超えること」が成立した。

パリ協定は、温室効果ガスの排出を2008年から12年の間に先進国全体で5.2%削減することを定めた京都議定書以来、18年ぶりの国際的な枠組みとなる。2015年12月の国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP21)で署名した世界各国が自国でこの合意を批准し、「締約国全体の排出量が世界全体の55%以上」となることが発効の条件だったが、10月4日に欧州議会で一括して批准することが決定され、5日にフランス、ドイツなどが締結文書を国連に提出し、排出の57%近くを占める73カ国が批准したことで成立した。

この協定では、地球の平均気温上昇を産業革命前と比べて摂氏2度(華氏3.6度)より低く抑えることを求める。

パリ協定は採択からわずか10カ月で発効となる。京都議定書は発効まで8年間を要し、アメリカが批准を拒否して脱退し、中国やインドなどの主要な排出増加国が規制対象外であったため、期待したほどの効果を得られなかった。

温室効果ガスの合計排出量が地球上の96%に相当する190カ国以上の国が、COP21に参加した。世界の2大経済大国で、2大温室効果ガス排出国でもあるアメリカと中国が9月3日に正式に批准したことも他国の参加を促した。インドも続いて9月に批准した。

日本は温室効果ガスの排出量が世界5位で、京都議定書の採択では議長国だったが、今回のパリ協定は国会での承認手続きが遅れ、11月7日にモロッコで行われるCOP22の締結国会合に参加できない見通し。会合に参加するためには10月19日までに締結手続きを完了しなければならないが、承認案の閣議決定は11日になり、19日には間に合わないという。

国連加盟国や環境保護の支持者たちは一様に歓迎の意向を示した。

「気候変動に関する国際会議がここ数年、いら立たしいほど進捗が遅かったことを考えると、これは大きな一歩です」と、環境と開発の政策研究を行う「世界資源研究所」のアンドリュー・ステア所長兼CEOは声明で述べた。「世界的な協調が実を結び、各国が手を取り合い、気候変動に関して早急に手を打つべきと理解したことを示しています」

欧州議会に出席した潘基文・国連事務総長は4日、議会の投票で一括批准が決まった後の会見で、「この歴史的瞬間に立ち会えることを心より誇りに思います」と述べた

アメリカのバラク・オバマ大統領は5日午後の演説で、「(パリ協定は)この地球にとってのターニングポイントになることを歴史が証明してくれるだろう」と述べた。

「パリ協定はそれだけで気候変動問題を解決してくれるわけではない。世界各国が協調すれば解決はより容易になる」

アメリカでパリ協定が予定よりも早く批准されたのは、大統領選の共和党候補ドナルド・トランプ氏が大統領に当選した場合、パリ協定の将来が危ぶまれるのではないかとみられるからだ。トランプ氏は様々な場でパリ協定に反対する意向を表明しており、世界全体で協定を破棄することさえ提案している。

オバマ大統領がアメリカを代表して誓約した排出量削減にトランプ大統領が反対したとしても、大統領の任期を終えるまでの4年間は彼が正式に協定を反故にしたり協定の内容を変更させることは出来ないだろうと、法律の専門家は指摘する。パリ協定は「トランプ氏が大統領になっても大丈夫」なものになるであろうと、気候のニュースや科学を扱うサイト「クライメイト・セントラル」は分析している。

ハフポストUS版より翻訳・加筆しました。

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