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「竹島に少女像」そもそもの経緯は? 自治体発の外交問題、長期化の恐れも

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BUSAN STATUE
EPA時事
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日本と韓国が領有権を主張している竹島(韓国名・独島)に、慰安婦問題を象徴する少女像を建てようという動きが浮上した。日本政府は抗議したが、韓国側は日本の領有権の主張に強く反発しており、問題はさらに複雑、長期化するおそれもある。

「竹島の少女像」問題の経緯をたどった。

■そもそものきっかけは

今回の発端は、釜山の少女像問題と同様、一地方での動きだった。

中央日報によると2016年12月13日、ソウル近郊の地方自治体・京畿道議会の本会議で、「独島を愛する会」の会長を務める議員が、募金運動を提唱した。超党派の道議34人が歴史研究を目的に10月に結成した任意団体で、釜山の少女像とは独立した動きだったが、2017年1月16日から道議会の施設や道内の役所に募金箱を置き始めた。2017年12月14日までに竹島に少女像を設置することをめざし、7000万ウォン(約670万円)の寄付を目標にしている。この日は、ソウルの日本大使館前に少女像が設置されてから6年となる。

呼びかけた議員は国政野党「共に民主党」所属で、朴槿恵政権を批判する立場にある。

竹島から遠く離れた京畿道議会の募金運動には、道議会議長が「政治的な人気集め」と批判するなど、議員内の意見も分かれている。政治的、外交的な問題が大きくなり、提唱した議員は17日に中央日報に対し「場所が適切かどうかなど、話し合いを通じて合理的な代案を見つけることができるだろう」と、ややトーンダウンした発言になった。

行政区域に竹島を含む慶尚北道の金寛容知事も18日、「ほかの問題を結びつけることは望ましくないし、新たな紛争の余地がある」と否定的な考えを示した

■日本の抗議に反発

一方、日本の岸田文雄外相が17日、「竹島は国際法上も歴史的にも我が国固有の領土というのが、我が国の立場だ。受け入れられない」、菅義偉官房長官が「極めて遺憾」と発言すると、韓国外交省は「日本政府が、明白なわが固有の領土である独島に対する主張を直ちに放棄することを求める」とした論評を発表、東北アジア局長が日本公使を呼んで抗議した

■韓国内でも賛否

日本の閣僚や官僚が「竹島は日本固有の領土」という日本政府の見解を述べ、韓国メディアが「妄言」と批判することは、過去にも繰り返されてきた。韓国メディアは「日本外相、独島の少女像推進に『独島は日本領』挑発」(聯合ニュース)、「再び始まった日本の妄言」(毎日経済)と、日本政府の対応を批判している。

ただ、中央日報は「対日関係では、必要ないことをして問題が起きることがある」として、「大きくなるほど負担になる領土問題を、地方議員が十分に考慮せず扱った」と、道議会の動きを批判した。竹島に像を設置するための韓国内の手続きが厳格なため、実際の設置は容易でないことも指摘している。

しかし、2015年末の日韓合意は韓国内で批判が強い。韓国ギャラップの2016年9月の世論調査では、ソウルの少女像の移転に反対する意見が76%に達した。日韓合意を「日本の謝罪と受け止める」は8%と、合意直後の2016年1月から半減している。朴槿恵大統領が弾劾されて職務停止中で、すでに次の大統領選をにらんだ候補者レースが始まっている韓国では、野党政治家らが朴槿恵政権の日韓合意についても破棄や再交渉を主張している。韓国で竹島問題とは「植民地支配の歴史問題」と認識されており「独島を日本領土だとした日本外相の発言はありえないこと」(野党第2党「国民の党」の朴智元代表)などと強く批判している

朝鮮日報は、安倍内閣の支持率が前月比4%上昇し、少女像に対する日本政府の対応を75%が「妥当だ」と回答した(朝日新聞)ことに「安倍政権は『少女像強攻策』で国内の支持率が上昇している」との見方を示し「韓国の大統領選の候補者(と予想される人々)が慰安婦問題の日韓合意の破棄を主張し、安倍政権も『韓国に強く出なければならない』という日本の国内世論を背景に『独島は日本領』など、日韓をたがいに刺激する発言を続ける可能性がある」と悲観している。

▼画像集「釜山の少女像問題」▼

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