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アジアで叶える「なりたい自分に近づく」キャリアの創り方〜シンガポールIT企業勤務 古賀真之介さん

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2013年に家族そろってシンガポール移住を果たし、現在は日系企業の現地オフィス構築を担当する古賀真之介さん。

「人と同じ道が自分にとってベストだとは思わない」と話す彼は、若いうちから海外移住を視野に入れていたそう。アジアで働くということ、そしてこれからの時代に求められる力についてお話を伺いました。

東日本大震災が、キャリアを見つめ直すきっかけになった


現在の仕事内容を教えてください
 
プリセールスエンジニアという、お客様先に営業担当者とお伺いし、お客様のご要望、問題点、改善点をお伺いしながら、必要なシステムの要件を定義したり、実現方法について予算、シナリオを含め、提案を行っています。

シンガポール進出を控えた日系企業のオフィス構築やIT環境の整備なども行っているのですが、今までの仕事で培ってきた経験やスキルが役に立つんだなと実感しています。
 
古賀さんは理系の大学で半導体研究をされていて、大学院まで進まれたとか
 
高専を卒業して以来、ずっと理系で進んできました。でも、新卒で入社したのはインターネット求人求職サービス企業。周りは博士課程に行く人や半導体メーカーに入社する人も多かったのですが、そのまま敷かれたレールに乗っても先が見える気がしなかったんです。

自分はコミュニケーション能力が低いと思っていたので、社会人の最初のうちにその部分を鍛えられる仕事をしようと考えました。幸いにも、この会社では非常に多様性に富んだチームに入ることができたお陰で何とか頑張れました。

よく見捨てられなかったなと思うほど、本当に手のかかる社員でしたね。それでも営業を1年、情報システムに鞍替えして約3年間、色々な経験を若い間に積ませていただきました。

その後28歳になった2008年に、米国系サイバーセキュリティ企業に転職しました。目的は「お金を稼ぐ・英語を勉強する・技術的な強みをつける」こと。当時付き合っていた彼女が帰国子女でアメリカ留学をする予定だったので、私も一緒に行くつもりで準備を始めたのです。

ところが、しばらく勤めた後に彼女と別れてしまって。でも、その後に前職の時から続けていた趣味のヨガを通じて今の妻と出会い、3ヶ月でスピード結婚しました。

そして、結婚直後に東日本大震災が起こり、キャリアを見つめ直すきっかけになりました。原発問題で日本中が混乱に陥ったあの時に味わった、東京にもいられなくなるかもしれないという感覚。

いつでも海外に出られる用意をしておかないと、本当に路頭に迷うかもしれないという危機感もあり、妻と相談して本格的に海外に行く準備を始めました。子供が生まれて、妻が産休から復職して手がかからなくなってきた2013年にシンガポールに渡りました。

息子の将来を考えた結果、シンガポールに移住


移住をすることに不安はなかったのでしょうか?
 
不安もありましたが、一番の動機としてあった「息子の将来のため」という理由が揺るぎなかったので、やらない理由がありませんでしたね。私は、息子が大きくなった時の日本や世界では、必ず多様な文化や言語能力が必要とされると考えていました。

妻と一緒にそれらを習得できる国を比較検討し、私たちの中では、「シンガポールだろう」という結論に至りました。だから、それらを習得できる環境を選んだ結果、日本ではなくシンガポールになっただけのことです。
 
移住先をシンガポールに決めた理由を教えて下さい
 
他にもマレーシアやオーストラリア、ニュージーランドが候補に挙がっていたのですが、知り合いのアラブ系経営者の方に「移住するならシンガポールかドバイだ」と言われたことがきっかけで興味を持ちました。

豪州はITの仕事が少なかったのですが、シンガポールは5ヶ月の転職活動で内定をいただき、暮らす上での衛生面も問題なく、子どもの教育水準も非常に高い。

特に多国籍の人と一緒に色々な文化や言葉を肌で感じられる環境は、私たち夫婦以上に子どもの将来に役立つだろうと確信してこの国を選びました。
 
お子さんの未来を見据えた海外移住を実際にしてみていかがですか?
 
シンガポールで生活を続けるために共働きをする必要があり、渡星後すぐに子どもをローカルのチャイルドケアに預けたのですが、数か月で英語を話せるようになりましたね。

チャイルドケアの先生から、中華系のお友達とは中国語で会話もしているよと伺って驚きました。私たちの前では決して話さないのですが......。西洋人、中国人、マレー人、インド人関係になく、誰とでも気軽に会話するようになりました。多様な人種と触れる生活を「当たり前のもの」として育っているんですね。

また、こちらでの生活は子育てをする親にとってもメリットが大きいです。家事を手伝ってくれるメイドさんもいますし、夜7時まで預かってくれる保育所も多い。これは日本にない良さだと思います。

自分の適性を見極めて、それを伸ばすことで唯一無二の存在に


古賀さんはキャリアを自分の手で切り開いている印象がとても強いのですが、何か意識されていることはありますか?
 
今までの人生で、自分の活かしどころは常に考えてきました。高専にいた頃、私はプログラミングがずば抜けて上手な友人を見て「自分はここまではできないから、プログラミング能力ではなく彼よりも自分に適性がある能力を伸ばしていこう」と考えました。

でも計算高く「どこが自分にとって良いポジションか」と考えたわけじゃないんです。ただ「彼みたいに、四六時中プログラムにハマってガチで勝負できるか?」と自分に問いかけて「できない」って思ったので、今、自分が居る場所を見回して、「どうしたら自分が『役に立てるか、貢献できるか』」を考えてきたんです。

そんな偉そうなことじゃないですよ。でも、そんなことを10年以上続けていって、ふとした時に「自分は唯一無二に近づいているかも」と思うようになったんです。
 
何者かになりたくても、それ以前に「自分がやりたいことがわからない」という人が多いように感じます。
 
「今やりたいことがない」という人もいるでしょうが、私はそれでもいいと思います。明確にやりたいことが見えていなくても「こうなりたい」という漠然としたイメージさえあれば、そこに近づくための努力ができる。

私自身も今その過程にいるのだと思っていますし、その積み重ねで出来たキャリアが自分の頭で考え抜いたものであれば、自ずとその先の道も続いていくのではないでしょうか。

これからの時代、「自分の身を守れるのは自分だけ」という傾向がより強くなるはずです。そんな時代を生き抜くサバイバル能力を身につけるのに、アジアほど適した環境はないと思います。

同じ3年間でも、アジアでは多様な経験をすごい速度で体験できたから。勿論、日本でも似同様の環境はあります。でも、アジアの方が確実にそういう経験を積めると思うので、様々な経験を早く積みたい人はぜひチャレンジして欲しいですね。
 
 
 
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プロフィール
古賀 真之介/Shinnosuke Koga

1979年、大分生まれ。豊橋技術科学大学大学院工学研究科電気・電子工学専攻修了後、インターネット求人求職サービス企業にて、営業、社内ITとして、拠点拡大、業務拡大時の広範囲のITインフラ業務、ヘルプデスク業務に従事し、2008年、米国系サイバーセキュリティ企業にて、エンドポイント、クラウド、電子メール、Web製品のテクニカルサポートとして従事し、企業向けコミュニティサイトを立ち上げる。ヨガ講師の妻と息子と共に2013年に渡星。大手通信会社のプリセールスエンジニアとして、日系企業を中心とし、オフィス構築、ITインフラ、セキュリティの企画、提案、PMに従事。趣味は食べ歩き。育メンになるべく、息子に「パパ嫌」と言われながら積み木とプラレールでご機嫌を取る日々を奮闘中。
 
ライター
濱田 真里/Mari Hamada

ABROADERS 代表

海外で働く日本人に特化した取材・インタビューサイトの運営を6年間以上続けている。その経験から、もっと若い人たちに海外に興味を持って一歩を踏み出してもらうためには、現地のワクワクする情報が必要だ!と感じて『週刊アブローダーズ』を立ち上げる。好きな国はマレーシアとカンボジア。
 

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