家族限定SNS「ウェルノート」の仕掛け人は1児の母。彼女はどうやって仕事と育児を両立させたのか?

2015年03月16日 00時50分 JST | 更新 2015年09月04日 18時26分 JST
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家族限定SNS『ウェルノート』のディレクターを務めるのは、ゲームフリークの元ゲームプランナーで1児の母でもある太田さん。彼女はどのようにして、WEBベンチャーでのキャリアとプライベートを両立させているのでしょうか?

元ゲームプランナーが家族向けSNSのディレクターに

WEB・IT業界では多様な働き方が実践されている一方、スタートアップ・ベンチャー企業では、急速な成長を目指すことから長時間労働が常態化しているということもしばしば。

そんな中で女性、さらにはお子さんを持つママはどんな働き方、活躍ができるのだろうか?

WEB・IT業界で働く女性クリエイターを応援、紹介する『教えてHACK GIRL!』。今回お話を伺ったのは、家族限定SNS ウェルノートを手がけるウェルスタイルの太田悠紀子さん。

まずは彼女の経歴をざっとご紹介。幼少期をアメリカで過ごし、大学卒業後はゲームフリーク社にゲームプランナーとして入社。2011年に結婚し、2013年に第一子を出産後、産休育児休暇を経て同社に復帰。2015年1月にウェルスタイルにディレクターとして入社し、プロダクト開発の企画や進捗管理を担っている。

子どもを持つことで、女性自身のキャリア観はどう変わるのか? WEBベンチャー・ウェルノートへの転職背景、働き方に迫ります。

出産を経ても、キャリア形成を続けていく

― まず前職のゲームフリーク時代のお話から伺えればと思います。ゲームプランナーってどんなことをされるんですか?

基本的には新しいゲーム内企画をゼロから考えて仕様設計を行ないます。それから自社のエンジニアとデザイナーと一緒に開発進める段階では、調整と進行管理、デバッグまでやっていました。

いまのディレクターとしての仕事と似ている部分も多く、ゲームフリークでの経験が活きていますね。

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― 一昔前とは異なり、女性が出産しても退職せずにキャリア形成をするというのが一般的になってきました。太田さんは出産したら復帰するというお考えをもともと持ってたんですか?

そうですね。アメリカで育った影響からか、女性が働く、活躍する、意見を言うというのが割と当たり前だという感覚を持っていて。子どもが産まれたからといって、クローズドな世界に入る発想はそもそもありませんでした。

― 会社の環境、雰囲気の方はいかがでしたか?

何度か総務部署とやりとりしましたが、育休が取りづらい、復帰しづらいといったことは全くありませんでした。初めての経験で少し不安はありましたが、復帰もスムーズに行なえましたし、小さな子どもを持つ女性特有の働き方にも、時短勤務などで柔軟に対応できました。

インターネットがより一層子育て夫婦を救えるように

― ゲームフリークに復帰されて8ヶ月ほど経ってから、家族向けSNSを手がけるウェルスタイルに入社した背景にはきっと、ご自身の育児の経験があったのではないかと思うんです。入社のきっかけってなんだったのでしょう?

まさに仰るとおりで、育休中に子どもとふたりきりでずっと過ごしていると、何だかすごい閉鎖感を感じたんです。

たぶんそれは、ギャップのせいだったと思います。旦那さんはすごく協力的だし、コミュニケーションもよくとってたんですけど、それまでの仕事の感覚というか、「一つのタスクが終わったら、必ず効果が出たりフィードバックがある」という状態から、「1日を過ごすだけでものすごい大変なのに、誰にも話さないし、誉められない」という、成果が見えづらい状態になった差に一時期すごく悩んで。

そんな時に、ネットのクラウドサービスを使って、義理の両親と家族をつなげて写真の共有なんかをはじめたんですね。すると、子どもの成長を伝えることがフックになって、フィードバックが帰ってくるようになったんです。それからだいぶ閉鎖感が取れて楽になれて。

インターネットやアプリケーションを使って家族とつながるというのが、産後うつや家事の閉鎖感とか、そういう母親の抱える問題を解決する手段としてとても可能性があるということを身をもって感じたんです。それをきっかけに、その分野のプロダクトをもって注力しているウェルスタイルに興味を持ち始めたという感じですね。

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― ウェルスタイルには太田さんと同じく、子どもを持たれている方がいらっしゃるんですか?

社員の約半数が女性、うち4名がママ社員です。ウェルノートが主にお母さんをメインユーザーにしたプロダクトですので、その意見を現場で吸い上げられるというメリットも大きいです。

また、子どものいる社員の働き方に関しても、とても理解が進んでいると思います。小さな子どもを育てるのって、本当にどうしようもないことがいつ起こってもおかしくないんです。例えば、突然体調が悪くなったり、インフルエンザにかかってしまって5日間まるまるお休みをいただかなければいけなかったり。そういったことに関しても、会社として当たり前のように受容性をもっているのは、本当に働きやすいと感じます。

私はいま、フルタイムの正社員として勤務していますが、、8時~17時と時間をずらして娘の保育園の迎えに間に合うように働いています。ミーティング時間もなるべく早い時間に設定するなど、融通のきく働き方の土台がある印象です。

― 8時出社ということは、あさ保育園にお送りするのは旦那さんで?

そうです。どちらもフルタイムで働いているのですが、なるべく娘を保育園に預ける時間を短くしようと考えていて、朝少し遅い時間に旦那さんが保育園に送って、夕方に私が迎えに行く形をとっています。

子育てを知らない人にも伝えたい

― 実際に子育てしながらフルタイムで働くと、それまでの考えなんかが変わってくることもあると思うんです。太田さん自身のキャリア観の変化ややってみて気づけたことってなんなんでしょう?

仕事という意味でのキャリアに対する考えの変化はあまりありません。ただ、想像以上に「自分の時間」が減って自己投資なんかが難しくなったと思います。

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子どもが生まれると、自分の中での優先順位がガラッと変ったんです。正直産むまでは、子どもがここまで大事になるとは思ってなかったというか(笑)。自宅にいても外出しても、一番は娘に関わることで、時間ができても、自分にとってプラスか、家族にとってプラスかを考えて取るのは、だいたい後者の選択肢なんですよね。

気づけた部分は、あまりにも育児に関する情報が発信されていないこと。これは社会全体、個々の家庭内というレイヤーでも言えると思うんですけど、そもそも育児をしたことがない人にはあまりにも想像できないことだらけで、知る機会さえないんだな、と。そんな問題意識に対して自分でも何かできないかと思って始めたのが「おもちランド」という育児ブログです。

子どものいない男女に、子育てってこんな感じだよ、というのを少しずつ発信する狙いではじめたものです。きっと大変さとかをすごく語っても読まれないと思うので、できれば楽しいことベースにして、リアルな子育てをポップに伝えていって、小さな子どもや子育てをする両親に対しする理解を促せればなと思っています。

― 多様な働き方が可能なWEB・IT業界だからこそ、より一層子どもを持つ親でも活躍できるようになれば本当に素晴らしいですね!ありがとうございました!

[取材・文] 松尾彰大

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