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広がるか、小中学校でのファイナンシャル教育

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市議会で義務教育段階でのファイナンシャル教育の推進について質問しました。ファイナンシャル教育は日本語で金融教育と言います。

社会人になったら収支の管理に始まって、結婚や出産・子供の学費の準備など将来予測されるライフステージに向けて計画的にお金を準備していくことが大切なことです。

また、将来予見しうるリスクを回避するために各種保険に加入することも大切なことですし、投資信託やETF、株式などの金融商品を活用した資産運用を銀行に言われるまま行うのではなく、自分で比較検討する力を身につけることも大切です。

さらに、私も苦手な分野ですが、年金や健康保険の基礎知識や税金の基礎知識を始め、効果的な節税方法も合わせて身につけることも大切です。たとえば今ならNISAやふるさと納税でしょうか。

今述べたことは社会人になったら当然身につけていることが望ましいとされている金融リテラシーな訳ですが、実際問題、大学を卒業したからといって身についているものではありません。

なぜかというと、日本教育の特徴として小中学校の義務教育でも高校や大学でもまずお金に関する勉強は行わない、高校や大学では生活に密着した知識ではなく学問的でかなりマクロ的な視点で経済や租税、法律を教えるからです。公務員試験、就職試験でもそういった分野しか出題されません。

なので、商業高校や商学部で簿記を教わって財務三表を作る能力はあっても家計簿はどうやって作ればいいか分からないとか、経済学部を出ても資産運用や投資が得意になるということはありません。

これは文系に限らず理系学部出身者も例外ではありません。博士課程を出て極めて緻密な金融工学の計算をして将来の期待収益を弾き出す能力があるのに、自分の民間保険や投資信託などの金融商品の購入に至っては、あの人に勧められたからといって加入するケースもあると聞きます。

ファイナンシャル教育というのは、こういった生活に密着した金融リテラシーを社会人になってからでなく、義務教育の段階からその基礎を教えていこうというものです。具体的には、このファイナンシャル教育は金融庁の金融広報委員会が旗振り役になって推進をし始めています。

その金融広報中央委員会の金融経済教育推進会議が発表した「金融リテラシーマップ」というのがありまして、中学生までに身に付ける金融知識として以下のように示されております。

「こづかい帳をつけることなどを通じてお金を管理する」「家計の収入・支出について理解を深め、学校活動等を通じて収支管理を実践する」「利益が出たり損失が出たりする特徴を踏まえて、リスクとリターンの関係について理解する」「複利を理解し、継続して貯蓄・運用に取り組む態度を身に付ける」「事故や病気のリスクや負担を軽減させる手段のひとつに保険があることを理解する」などです。

こういった能力を身につけさせるために、金融広報委員会がリーダーシップを取って色んな小中学校に無料で講師を派遣して「金融公開授業」を全国展開しております。ここ数年でも50校以上で実施しております。

わが市でも税務署が行う租税教育というのは行われていましたが、その租税教育に加えてお金の管理、貯蓄の意義や保険の重要性など社会生活を営む上で必須となる総合的な金融教育も展開されて頂くことをお願いし、県の金融広報委員会でも無料で小中学校などへ講師派遣し、出前講座を実施しているので、その活用をお願いしました。

答弁は「学校と協議していく」との内容でした。特に、今はお金の概念が変わってきています。従来は中央銀行が発行した通貨が家計の資産の前提とされてきてましたが、昨今では中央銀行が発行したものでない仮想通貨が通貨と認められて、日本円と並行して流通していく時代に突入しています。

さらに、この仮想通貨は投資対象として売買され始め、さらに投資している年齢層の最大の特徴として10代20代の若者が大きなウェイトを占めているようです。タブレットやスマホのボタン一つで売買でき、ソーシャルメディアを持っていればすぐに口座開設ができる手軽さが若者の心を掴んでいるのでしょう。

何が言いたいのかといいますと、従来、投資といえば外国為替や株式、不動産のように専門知識が必要なので、そのハードルの高さから比較的年齢層が成熟した方が多かったのが、そういった専門的な知識が要らずスマホがあれば気軽に投資できてしまう仮想通貨というネーミングからしても若者受けするデリバティブ商品の誕生で投資に触れる年齢層が一気に10代まで引き下がったわけです。

本来、何を原資産に、何を根拠に値動きが発生しているか不明である仮想通貨の売買はリスクがかなり大きいのにもかかわらずです。

国も若者の投資を促す方向性なのでこの流れは止まりません。ですので、小中学校の内からお金のリテラシーやリスクをきちんと勉強することが重要と感じます。わが市でも単発ではなく金融庁の金融リテラシーマップを参考にされ体系立てた金融教育の実施に向けて前向きにご検討頂くようお願いしました。