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ドイツ:再エネ割合の記録更新と、『エネルギー貧困』の顕在化と・・・

2015年08月11日 15時57分 JST | 更新 2016年08月10日 18時12分 JST
Michael Gottschalk via Getty Images
MARKT BERATZHAUSEN, GERMANY - OCTOBER 29: A wind turbine Enercon 101 is located in the forest Brenntenberg behind trees on October 29, 2013 in Markt Beratzhausen, Germany. (Photo by Michael Gottschalk/Photothek via Getty Images)

先月28日付けの takepart の記事によると、ドイツの1日のエネルギー需要において、再生可能エネルギーの割合が78%になり、昨年5月の同74%という記録を更新したとのこと。

《記事から抜粋》

Germany's transition from coal- and oil-fired power to carbon-free electricity hit a new milestone on July 25 when solar, wind, and other sources of renewable energy met 78 percent of the day's energy demand.

That beat the old record of 74 percent, made in May 2014...

"再エネ先進国"ドイツにおいて、再エネがこのように高水準で普及してきたことは、一面では歓迎されるべきことだろう。しかし、再エネに係る需要家のコスト負担という面では、喜んでばかりもいられない。ドイツでは再エネの普及に伴うコスト負担増により、『エネルギー貧困』が顕在化してきているからだ。

 これは、かなり以前から指摘されていること。例えば、2012年4月29日付けの Die Welt の記事では、ドイツでは年間60万世帯が電気料金を支払うことができないため電力供給が停止されており、主に再エネの激増によって2011年に電気料金は約10%上昇したと報じている。

《記事から抜粋》

Pro Jahr werden 600.000 Haushalte abgeklemmt

Dabei seien Geringverdiener und Rentner noch stärker als die Bezieher von Hartz IV betroffen, bei denen zumindest die Heizkosten in der Regel von den Sozialbehörden übernommen werden. "Früher war Energiearmut ein Randphänomen, doch mittlerweile ist es für viele ein Alltagsproblem geworden", sagte Müller.

Laut Umfrage der Verbraucherschützer bei den Energieversorgern wird pro Jahr bei rund 600.000 Haushalten aufgrund nicht gezahlter Rechnungen der Strom gesperrt. Vor allem aufgrund des starken Ausbaus erneuerbarer Energien hatten sich die Strompreise im Jahr 2011 um rund zehn Prozent erhöht.

 この問題への解決策は、未だ見出されていない。それについては、先のドイツ出張報告(☆1、☆2)でも触れているので、適宜参照されたい。

  ☆1:http://blog.livedoor.jp/kasumigaseki_soken/archives/43381363.html

  ☆2:http://www.slideshare.net/KasuoIshikawa/edit_my_uploads

 日本では再エネ政策を見直すための検討が進められているが、"再エネ先進国"ドイツから得られる教訓も十分に踏まえた見識ある再エネ改革が行われるべきだ。

 その主要論点は、「再エネ導入に係るコスト負担のゼロ化」と「再エネ導入の合理的な促進」を両立していくような新施策の考案に決まっている。太陽光や風力は、当面の技術ではどうしてもコスト負担が大きくなってしまう。

 だからと言って、『エネルギー貧困』などという有害無益な結果をもたらすような再エネ推進策は許されない。そんなことでは、再エネの健全な発展が阻害されてしまうからだ。