BLOG

「アカデミア・ラボ」始動 〜革新を起こす、という作新の伝統

2017年04月21日 00時47分 JST

2017-04-20-1492657105-4120184-20170419hatakei1.jpg

新年度とともに、近未来対応型の新たな教育を実践する「作新アカデミア・ラボ」が始動しました。

一学期中は試行期間ということで、日々トライ&エラーを繰り返しては、モデルケースとなる授業のあり方を模索する毎日ですが、流線型のアカデミア・ラボの建物に、生徒たちの笑顔とさんざめきが溢れると、仏に魂が入ったような、無機質な建造物に生命(いのち)の灯火がともったような感覚がして、胸が熱くなります。

2017-04-20-1492657131-8626944-20170419hatakei2.jpg

アカデミア・ラボでの教育の核を為すのが、「クエスト・ラボ」です。

2017-04-20-1492657159-3150536-20170419hatakei3.jpg

これまでスタディー ラボと呼んできたスペースですが、ここで実施される教育内容と名称が合致していないため、「クエスト ラボ」と改めました。

クエストとは、「探求」。

子どもたちには「ドラゴン クエスト」でなじみがある言葉だと思いますが、世界平和や地球全体の幸福を目的とする「真理の探究」という冒険の旅が、今このラボから始まります。

2017-04-20-1492657194-8038239-20170419hatakei4.jpg

その教育内容の柱が、「アクティブ・ラーニング」。

アクティブ・ラーニングとは、児童や生徒が能動的に学習に取り組む学習法で、座学中心の一方的な教授方法では身につくことの少なかった21世紀型スキル、つまりグローバル化やAI(人工知能)の進化といった急速で革新的な社会変化にも対応できる「人間力」を養成します。

具体的な学習方法としては、発見学習、課題解決型学習、体験学習、調査学習、グループディスカッション、ディベート、グループワークなどがあげられます。

2017-04-20-1492657227-750926-20170419hatakei5.jpg

こうした新たな学習を実施するには、大人である教員が子どもである児童や・生徒の前や上に立って、スクール形式というスタティックで無機的な体制をとっていてはいけないと、クエスト・ラボでは四角四面な机をやめ、台形や勾玉型といった組み合わせ自由な机を設置しました。

2017-04-20-1492657262-4781525-20170419hatakei6.jpg

そして、その時々の状況に応じて、すぐに体制を変化させられるように、机も椅子もすべてキャスター付きになっています。

2017-04-20-1492657291-890285-20170419hatakei7.jpg

人は思った以上に、環境に規定され縛られる生き物です。

四角四面な教室の中、無味乾燥なスクール形式のまま固定された体制のままでは、自由な発想はその翼を広げて羽ばたくことができず、想像力や創造力も育ちにくいと私は思います。

アカデミア・ラボは、とにかく自由な組み合わせと曲線的発想にこだわって建築し、教育環境を整えました。

2017-04-20-1492657318-4965369-20170419hatakei8.jpg

アクティブ・ラーニングは文科省からも「自らが学ぶ」教育ということで、新学習指導要領の目玉と位置づけられていますが、作新学院は創立以来、三つの教育方針の筆頭に「自学自習」を掲げており、主体的・能動的に学ぶことを基礎基本としています。

そういう意味では、やっと時代が作新に追いついて来てくれた、という感があります。

2017-04-20-1492657350-4551637-20170419hatakei9.jpg

とはいえ、作新は単に新規性を追い求め、むやみに挑戦しているのではありません。

常識や既成概念の枠にハマることなく、いつの時代でもその時々に即した教育を時代を先取りして模索し、新たな教育のあり方を切り拓いて来ました。しかしその目的は132年間一貫して、「普遍的な真理の追究」でありました。

作新学院の校名は、中国の古典である四書五経の『大学』の一説、「日に新たに、日々に新たに、又日に新たなり。新しき民を作せ」から名付けられています。

そして、この作新学院の校名の由来となる黒羽藩の藩校に「作新館」と命名したのが、かの勝海舟です。

当時の陸海軍奉行を、若き俊英である黒羽藩主15代当主大関増裕が務めており、その懐刀が勝海舟でした。

動乱期を迎えた幕末において、徳川幕府の安全保障の命運を20代の若さで任された大関氏は、きわめて開明的なリーダーで、閉塞的な故郷の改革に果敢に取り組みますが、志半ばで不審な死を迎えます。

既得権益に凝り固まった守旧派の家臣たちと真っ向から闘い、藩のそして日本の未来を世界の先進国家へと切り拓いて行った大関増裕や勝海舟の精神は「作新」の校名に引き継がれ、本学とともに永遠に生き続けています。

その精神が、甲子園史上初の春夏連覇を皮切りとした、江川卓選手や萩野公介選手といった新たな歴史を拓く人材を輩出する、作新の栄光に結実しているのだと私は理解しています。

物事の「真理」とは何かをまず探求し、その真理を基に自身の価値基準を作り上げ、その座標軸の基に自ら判断し行動する。

そうであってこそ、人は真に豊かで幸福な人生を送ることができる。

そして、社会とは個人の集合体であり、歴史とは個人の人生の積み重ねであるわけですから、真理を探究し真理にそぐった言動を人々が為してこそ、真に平和で豊かな社会や歴史が実現するのではないでしょうか。

逆に私利私欲にとらわれ、利己的で近視眼的な判断や行動を人が行い真理に背けば、あっという間に社会は崩壊し、結果として個人も不幸になってしまいます。

昨今の混迷を深める世界情勢や地球環境は、明らかに真理を踏み外し、個々の人間が私利私欲のままに全体を考えず利己的に行動している、当然の帰結でしょう。

アクティブ・ラーニングの一貫としてアカデミア・ラボでは、社会を形成する一個人であることを自覚し、自律的で他者を思いやり責任ある人間に成長するための「シチズンシップ教育」も、率先して実施して行きます。

132年に亘り継承されてきた、「自学自習」という教育理念を体現するアカデミア・ラボ。

「自分たちの生きる未来は、自分たちで作る」という革新的発想、チャレンジ精神こそが、作新の伝統です。

どんな時代にあっても、常に先陣を切って未来を切り拓く、という作新の伝統を胸に、アカデミア・ラボは道無き道を今日も進んで行きます。

2017-04-20-1492657399-9505479-20170419hatakei10.jpg