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ボリビアのお団子!? ラ・パスの郷土菓子「イエマ」を現地で作ってみた!【"旅するパティシエ"世界一周!郷土菓子レッスンの旅】|KitchHike

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■「世界一周!郷土菓子レッスンの旅」に出発しました!



こんにちは! "旅するパティシエ"鈴木あやです。2016年から、世界の郷土菓子を巡る旅に出発しました!

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目標は、「国と国、人と人とをつなぐスイーツ・ストーリーテラー」になること。世界中で現地の人々から郷土菓子レッスン受けながら、レシピだけでなく歴史・文化・暮らしと、立体的にその地域の魅力を発信していきます。

前回は、ボリビアでの「パン」との出会いから、首都ラ・パスでの「ベーカリー」への突撃取材の模様をお伝えしました。

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今回は、そのベーカリーを営むロファスさんファミリー直伝の「イエマ (Yema)」のレッスンの模様と共に、【ボリビアの郷土菓子】ストーリーをお届けします!

■「イエマ」の郷土菓子レッスン、スタート!


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■家庭科の授業

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とにかくまずは、一緒に作ってみることから!......ということで、滅多に入れるチャンスのない、現地のベーカリーの厨房に入れてもらい、ドキドキの調理実習が始まりました。

イエマのレシピ


イエマの材料 (手のひらサイズ約10個分)

マンティカ (動物油脂)250g

グラニュー糖125g

卵1コ

牛乳450g

薄力粉1kg

ベーキングパウダー小さじ1

塩小さじ1/2


イエマの作り方


※下準備
・卵と牛乳は常温にしておく
・薄力粉とベーキングパウダーは、一緒にふるっておく
・オーブンは180℃に余熱しておく

1. マンティカにグラニュー糖を合わせて溶かす。
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2. 「1」に、卵・牛乳・塩・薄力粉・ベーキングパウダーを順番に加えてまぜる。
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3. 「2」を手のひらサイズに取り、天板に並べる。とてもやわらかい生地なので、スプーンですくう。
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4. 卵 (分量外) を溶いて、生地の表面に刷毛で塗る。
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5. スパチュラで十字形に切り込みを入れる。
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6. 180℃のオーブンで20分〜30分焼成する。
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......そして、完成〜!!

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厨房はとっても良い匂いに包まれ、焼きあがったパンはツヤツヤ!

■国語の授業

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このパンの名前、「イエマ (Yema)」の意味をロファスさんに聞いていると一言、「卵黄」なのだと教えてくれました。

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調べてみると、「イエマ (Yema)」は略称で、正式には「パン・デ・イエマ (Pan de Yema)」、つまり直訳すると"卵黄のパン"。

言い換えるならば、"たまごパン"といったところでしょうか。

■理科の授業

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なによりも、マンティカ=「動物油脂」を使っている点はポイント! この油脂は水分を含まず、生地の弾力性を断つ効果があるので、ホロホロ、サクサクとした食感を生みます。

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日本でいうところのラード (豚の背脂) にあたりますが、16世紀頃にスペインで生まれたパンや菓子には、このマンティカをよく使われていたそう。なるほど、宗主国がスペインのボリビアでは、パンひとつとっても植民地時代の文化の名残が感じられます。

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また、「強力粉」ではなく「薄力粉」だけ、「イースト」ではなく「ベーキングパウダー」を使うなど、日本人の私たちの常識からすると、パンよりもケーキやお菓子を作る際にお馴染みの材料や手順で作られていました。

■美術の授業

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見た目は、余計な装飾はせず、「十字」の切り込みを入れるのみ!

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ただし、卵でたっぷり艶出しを塗って、オーブンを何度もチェックするなど、美しい焼き色にはとてもこだわっていました。

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また、これは「イエマ (Yema)」に限らず、多くのボリビアのパンの特徴と言えますが、基本的に完成品は隣のパンとくっついていて、しかもそれを切り離すことなくそのまま販売しているのが印象的でした (笑)。

■社会の授業

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ボリビアの中でも地方によってそれぞれ定番のパンがありますが、ロファスさん曰く、「イエマ (Yema)」はまさにここ、ラ・パスを代表するパンのひとつなのだとか。

確かに私自身も、近隣諸国はもちろんのこと、他のボリビアの街で見かけることはありませんでした。

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そして印象的だったのが、ロファスさんが「ラ・パスのパンだ」と力強く、そして何度も繰り返していたこと。

一説には「イエマ (Yema)」は、スペイン植民地時代にボリビアに伝えられてきたものだともいわれています。歴史的背景からいえば、この説は有力なのでしょう。

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ただ、仮にルーツはそうであったとしても、長い年月をかけて、結果として唯一無二の「ラ・パスのパン」作り上げてきたという、この地のパン職人たちの誇りを、ロファスさんの言葉を通じて感じることができたように思います。

■郷土菓子レッスンを終えて......


実際に一緒に作らせてもらった、焼き立ての「イエマ (Yema)」をパクリ!

表面はホロホロ、サクサクで、まるでビスケットやスコーンのような食感。そして、中はブリオッシュのような風味豊かな味わいで、ほのかな甘さが絶妙です。

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調理しているときも感じていたことですが、食べてみてさらに納得。取材前に秘かに抱いていた、「"ベーカリー" = "パン屋さん"でしょ? 郷土菓子なんてあるはずがない」という考えは、とんだ思い込み。私は「菓子」をとても狭い視野で探していたようなのです。

そしてその反省は、ロファスさんの言葉で決定的なものになりました。

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Q. ラ・パスの人々にとって、「イエマ (Yema)」はどんな食べ物ですか?

A. いつ何時でも食べる、手軽な食べ物。そうだね......例えるなら、ケーキでもあり、クッキーでもあり、といったところかな!

......そう、この「イエマ (Yema)」は「パン」と言いつつも、私たち日本人が考えるような「パン」「ケーキ」「お菓子」と、一概に分類できるものではないのです。

「ラ・パスのパンだ」という誇りもありながら、究めて身近な存在でもある。つまり、「特別だけど、日常でもある」。

つじつまがあわないように思えるけど、日本にこんな食べ物ってあるかしら......と考えていたら、ひらめきました!

......それって私たちにとっての「お団子」のような存在なのでは!?

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団子は、日本古来の米食法の一種が原型とされていて、現代に通じる串に刺さったお団子スタイルは、室町時代に流通したそうです。

江戸時代に入ると、都市部では甘味付き団子が作られるようになり、庶民の茶席や行楽のお供に。一方で、農村部では主食や非常食として食されるなど、「食事」でもあり「おやつ」でもあり、団子のもつ意味合いはさまざまだったようです。

そして、言わずもがな......お月見団子、お花見団子、みたらし団子など、地域や季節によっていくつもの種類がありますよね。

......そう、日本の郷土菓子「お団子」について考えてみたら、ボリビアの「イエマ (Yema)」の郷土菓子としての輪郭が、くっきりと見えてきたのです。

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「郷土」というものを、国という単位では一概に分けられないことと同じように、今の私の考えなど及ばないほど、「菓子」という言葉の意味合いも、地域やそこに住む人々によってさまざま。

「イエマ (Yema)」、そしてロファスさんファミリーに出会えたからこそ、"スイーツ・ストーリーテラー"として持ち合わせておくべき、大切な視座を得ることができたように思います。

そんな郷土菓子レッスン in ボリビアなのでした。

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(「KitchHike マガジン」より転載)