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謝罪はもういらない。日本には第二次大戦の真実を話してほしい

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JAPAN WORLD WAR HONGKONG
(GERMANY OUT) HongKong : World War II British anti-aircraft gun against Japan - 1941 - Vintage property of ullstein bild (Photo by ullstein bild/ullstein bild via Getty Images) | ullstein bild via Getty Images
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2015年は、第二次大戦で連合国が日本との戦争に勝利した70年の節目の年である。今こそ日本政府が心から謝罪してきたかどうかを議論する時だろう。戦争中、日本軍は残虐行為を繰り返し、特に民間の人々を苦しめた。

第二次大戦中、アジアでは数千万から数億人が犠牲になったといわれる。私も戦争の犠牲者の一人だが、比較的運がいい方だった。真珠湾攻撃以前は私の両親は香港に住んでいたが、日本軍が1941年に香港の街を占拠した後、香港から逃れて広西省の桂林市に移った。

1944年の終わりに、日本軍が桂林市に最後の侵攻をしてきた。再び難民となった私の家族は、戦時中に中国の首都であった重慶市に陸路で逃れようとした。その時母は私を身ごもっていた。最初に貴州省を通らなければならなかった。そこで母が動けなくなってしまったため、貴州省の地域行政管理の中心である遵義市に立ち止まることにした。しかし宿はどこも「満室」だったので、遵義市の行政管理局の中で私は生まれることになった。そして幸運にも生き延びた(2014年12月、私は70歳になった)。

japanese propaganda

1941年の旧日本軍のプロパガンダのリーフレット(香港政府保存



1945年以降、ほとんどの日本の首相は何らかの形で謝罪をしてきた。しかし日本が十分に謝罪をしたようには見えない。なぜだろうか? 公平な見方をすれば、第二次大戦中は日本も苦しい思いをした。日本は唯一の被爆国だ。それも1回ではなく2回。そして不幸なことに、広島と長崎で亡くなった人の多くは民間人だ。しかし、自国民が戦争で苦しんでいるからといって、戦争を始め、残虐な行為をした人間の過失と責任が免除されるわけではないのだ。

しかし私は、そろそろ日本に謝罪を求めるのをやめるべき時だと思っている。たとえそれが真摯で、自発的で、心からの謝罪であっても、今世界が欲しいのは謝罪ではないのだ。結局、70年以上前の祖父母の世代を代表して謝罪するということは、全く意味がない。同様に、ずっと前に亡くなった祖父母を代表して謝罪を受けるのも意味がないことだ。将来同じ過ちを起こさないようにするために、世界が必要としているのは謝罪ではなく、本当の歴史を明らかにすることなのだ。

戦後ドイツの対応

第二次大戦後、西ドイツ政府はすぐ、ユダヤ人に対するナチスの残虐な行為が真実であったと認めた。ナチスの責任者達は告訴され、裁判にかけられ、有罪となり罰せられた。そして犠牲者は、可能な範囲で賠償を受けた。ドイツ政府は本当の歴史を隠すようなことは一切していない。ヨーロッパの中には、ホロコーストの否定が犯罪になる国がいくつかある。しかし過去50〜60年、私の知っている限り誰一人として、ドイツ政府に謝罪は要求した人はいない。なぜか? それはドイツが歴史に対して正面から、誠実に、責任を持って向き合ってきたからである。

なぜ、ドイツと日本の政府でこれほどの違いがあるのだろうか? 一つは西ドイツ政府が、1945年後に政府を一新したことだ。コンラート・アデナウアー首相は、ナチスに関わった者が絶対に新しいドイツ政府に関わらないようにした。それとは対照的に、日本は戦後も政府を変えなかったため、多くの戦犯や戦犯と疑われる人物が日本政府に復帰してしまった。

しかし全ての責任が日本にあるわけではない。戦後、西ドイツ、日本の両国を占領したアメリカも、重大な責任を負わないといけないのだ。日本もドイツのように、戦時中の日本軍の責任を明確に認め、歴史の一部であることを受け入れていれば、現在謝罪を求められることはなかっただろう。意図的かどうかわからないが、アメリカは日本で事態を正す機会を失ってしまった。

前進する

とはいえ、第二次大戦はもう過去の話だ。私達はどうやって前に進むべきだろうか? それは、中国、日本、韓国、東南アジアの国々がともに真実を探し、記録することだ。私的、公的、政府、また諜報機関の物を含め、現存する当時の情報源すべてを集めるべきだ。戦争から70年以上が経った今、もうこれ以上隠しておく必要もないだろう。例えば、南京の大虐殺が本当にあったかどうかについては、報道、写真、生存者の日記や報告などに加え、南京にいた日本軍の司令官や高官による東京の大本営への日誌や報告などを調べる価値があるだろう。日本の天皇の日記には何か記述がなかったのだろうか? 日本の外務省の代表の報告書には何かないだろうか? 南京に駐在していた他国の外交使節からのそれぞれの政府への報告書はないのだろうか?

日本軍が中国北東部で行ったとされる、細菌兵器や化学兵器で人体実験については、実験生存者の詳細に加え、日本軍の研究者によって上司や東京大本営に向けて書かれたレポートが残っている。

性奴隷を強制された、いわゆる「従軍慰安婦」の問題については、強制ではなかったという声も一部の日本人から聞こえる。生存者、その家族、旧日本軍兵士、慰安婦を募集した人、旧日本軍の医療隊のメンバーももう90代になっているだろう。話を聞く時間はあまり残されていない。日本軍は記録を完全な状態で保存することでよく知られているので、これらの記録が残っていたら、過去を明らかにするきっかけになるかもしれない。

真実を明らかにする目的は、非難することでも、償う方法を探すことでも、誰かを罰することでもない。このような暴虐が二度と起こらないようにするために真実を究明し、世界中の歴史の教科書に真実を刻むことなのである。

文明国家が軍の暴走を完全に防げるのかわからない。アメリカも、ベトナムのソンミ村で虐殺事件を起こし、イラクのアブグレイブ刑務所で捕虜を虐待した。しかしどれだけ痛みを伴おうと、事実と向き合う責任からは逃れられない。アメリカはこの2つの事件で、責任ある人間を罰し、誤りを正した。誤りを隠さず認めたことで、アメリカは世界中から名誉と尊敬を集めたのだ。

私は日本が、文明国家の名に恥じない責任を取れると固く信じている。今、日本も含めた世界は、日本からこれ以上の謝罪は必要としていない。ただ、真実が欲しいのだ。

この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。

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