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EコマースのJet.Comをウォルマートが$3.3Bで買収

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M&A Online編集長の田口です。今回は、最安値ネット通販のJet.comをウォルマートが買収した記事をご紹介。TransCap代表で米シリコンバレー在住のコンサルタント坂崎昌平氏がレポートします。(田口 雅典)


ウォルマートの買収戦略

米小売り最大手のウォルマート(Walmart)がネット通販のJet.comの買収を発表しました。買収価格の$3.3Bのうち、$3Bは現金で、残りはウォルマート株で支払われます。

Jet.comは、約1年前にサービスを開始したばかりですが、デジタルネイティブ世代を中心に利用者が増えていて、年商は既に$1Bを超えるペースだそうです。

積極的な先行投資による急成長を実現していますが、まだ赤字で黒字化は20年の見込みだったそうです。14年の設立以来ベンチャーキャピタルなどから累計$570Mを調達していて、昨年11月に$350Mを調達した際のバリュエーションは$1.4Bでした。

ウォルマートは15年の売上高が$524Bで世界最大の小売り業者です。ちなみに2位は$128Bでコストコ(Costco)が続き、アマゾン(Amazon)は$114Bで5位となっています。

一方、Eコマース小売りだけみると、1位が$72Bでアマゾン、2位が$13Bでウォルマート、3位が$11Bでアップル(Apple)となっています。ウォルマートの売上高のオンライン比率は2.5%程度に過ぎず、かなりの伸びしろがあるといわれています。

アマゾンに対抗すべくShippingPass(2日以内配送)やウォルマート ペイ(モバイル決済)を導入していますが、ウォルマートのEコマース事業の成長率は最近鈍化傾向にあったようです。

Jet.comの共同創業者兼CEOであるMarc Lore氏は、過去にも日用品通販サイトのQuidsiを立ち上げてアマゾンに$540Mで売却した実績があり、今回のM&AでウォルマートのEコマース事業の責任者に就任するそうです。

これまでウォルマートによる買収というと、02年の西友のように海外市場の同業者を傘下に収めるグローバルな事業拡大を目的としたものが多く、テクノロジー関連ではPunchTab(顧客エンゲージメント)やLuvocracy(ソーシャルショッピング)など数も少なくインパクトも定かではありませんでした。今回は大きく舵を切った印象を受けます。


米小売大手の動き

ウォルマート同様にオンライン比率が低い小売り大手として、コストコ(Costco、会員制倉庫型スーパーマーケット)、ターゲット(Target、ディスカウントストア)、ベスト・バイ(Best Buy、家電量販店)、Kohl's(百貨店)、ギャップ(Gap、衣料品製造小売り)、メイシーズ(Macy's、百貨店)、ノードストローム(Nordstrom、百貨店)などがあります。

なかでもメイシーズは先週、既存675店舗のうち100店舗の閉鎖を発表しました。リストラにより経営資源をデジタル投資にシフトするとのことで、発表当日のメイシーズの株価は引け値ベースで17%上昇しました。

今後これらの大手企業によるEコマース対応を目的としたM&Aの動きが活発化することが予想されます。

M&A Onlineより転載