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マンチェスター事件の「点と線」

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イギリス・マンチェスターで22日にアリアナ・グランデのコンサート会場で自爆テロが発生し、22人が死亡し、59人が負傷した。

事件の背景は明確ではないが、「イスラム国(IS)」が犯行声明を出した。イギリスでは2005年7月7日にロンドンで同時多発テロが起こり、56人が犠牲になった事件があった。

4人の実行犯のうち3人はパキスタンからの移民の家庭出身であり、イラク戦争にアメリカとともに踏み切ったイギリス政府への反発が動機の一つとしてあったことは間違いない。

イギリスは「イスラム国(IS)」支配地域であるシリア・イラクへの爆撃を今でも継続して行っている。

4月15日付の「The New Arab」の記事は「イギリスはほぼ毎日爆撃を行っている」という見出しになっていて、2017年は4月9日までの99日間で69日の爆撃があり、2014年9月に開始したシリア空爆を契機に1200回あまりの爆撃をシリア・イラクに対して行い、その回数はアメリカに次ぐ。(https://www.alaraby.co.uk/english/news/2017/4/15/uk-bombs-syria-iraq-nearly-every-day-in-2017

昨年12月にサウジアラビアがイエメンに対してイギリス製のクラスター爆弾の使用を認めるなど中東への武器売却もイギリスは継続して行い、2015年イギリスの武器売却の83%、9億ポンド(おおよそ1300億円)はサウジアラビアに向けられていた。(「ガーディアン」の記事)イエメンは深刻な人道上の危機に直面し、2700万の人口のうち2000万人が飢餓に苦しんでいる。

21日、アメリカのトランプ大統領はサウジアラビアでイスラム圏55ヵ国の首脳たちの前で演説し、「過激主義の集団を地上から追い出せ」と語った。

イスラム諸国の首脳たちがイスラム系諸国からの入国禁止の判断を行ったアメリカ大統領によってサウジアラビアに集められてその演説に耳を傾け、また12兆円ものアメリカ製兵器が売却される契約を結んだのは、イスラム世界の多くの人々からは屈辱的と見なされたに違いない。

1979年にイラン革命が起きた要因にも国王が無秩序にアメリカから兵器を購入したことが反発されたこともその背景にあった。

そしてトランプ大統領はイスラエルを訪問し、ユダヤ教の聖地である「嘆きの壁」で礼拝を行ったが、この姿勢もまたアメリカが不当にイスラエルを支援していると見られても仕方ないだろう。

イギリスではムスリムの失業率はほかの宗教コミュニティーの倍以上高く、ムスリムの青年層が政治や社会に不満をもったとしても不思議ではない。

マンチェスターの事件は、おそらくいわゆる「イスラム過激派」絡みで行われたものだろう。イスラムとイギリス、またその同盟国であるアメリカとの関係を考えさせることにもなった。