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「私、生理痛がひどいんです・・・」 女性部下から告白されて困った

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■2人で会議室で話し合った


meeting room

2016年の暮れ、ハフィントンポスト編集部の新人エディター、井土亜梨沙に「私、生理痛がひどいんです」と告白された。働き方の相談があると言われたので、会議室で対面したときのことだ。

「痛くて痛くて、仕事ができないほど寝込んでしまう。どうしたらいいでしょうか」。

生理になると、子宮の中の内膜がはがれて、膣から血が出てくる。血を押し出そうとする時に子宮が収縮したり、ホルモンバランスが崩れて骨盤の中の血液の流れが悪くなったりして、おなか周りが激しい痛みに襲われる。胸が張り、吐き気や眠気に苦しむ人もいる。

女性は、10代ごろからだいたい50歳近くまで、なにもなければ毎月こうした痛みと不快感と向き合う。井土が自分のブログで証言しているように「カラダの中にプロボクサーが住んでいて、激しいパンチを繰り返す」のだ。

男性は、無責任なほど、永遠にこの感覚がわからない。

井土は生理前に精神が不安定になったり、体調を崩したりする症状(PMS)も、時々ある。前の日からネガティブなことばかりを考えるようになり、涙が止まらなくなることも。

翌日、いよいよ生理が来ると、今度は生理痛で頭がズキズキし、身体が鎖に縛られたように、午前中いっぱいベッドから起きられなくなるというのだ。

■上司である私に何も言えなかった


井土は2016年4月にハフィントンポストにやってきた。メディアで働いた経験はなく、不動産業界からの転職だったため、いつも正直に仕事の相談をしてくれた。誰からも好かれるオープンな性格。だが、生理のことだけはずっと言えずに、毎月毎月悩んでいたという。

私は、反省した。思い返してみると、確かにあった。月に1度ほど、いつもは同僚と笑い合っている彼女が青ざめている。

「体調だいじょうぶ?」と聞くと「大丈夫です」。「私の顔はヘンですか、ひどいですね」と冗談のように言ってくることもあった。

編集部の仲間の性格はそれぞれだ。じっくりコーヒーを飲んで悩みを打ち明けてくれる人もいれば、チャットツール「slack」で長い文章を送ってくれるメンバーもいる。井土の場合は、何事もパッと正直に答えるので、安心してしまっていた。

社内にパワーハラスメントがないかどうか、鬱病などを抱える社員がいないかどうか、私は注意して見ていたつもりだし、彼女への接し方を振り返っていたが、「生理痛」とは頭になかった。

井土の「告白」以降、焦るように本を読んで勉強し、妻や女性の知人にも聞いた。厚生労働省や病院の資料も目を通した。

脂汗がでるほどの痛みで、仕事への集中力がなくなる。会議中も出血が怖くて、集中できない。心のストレスもあるため、上司の話し方や癖がなぜか気になり、話しかけられるとイライラしてしまう。

オフィスでも、不安定で落ち着かない----。これほど「働くこと」に影響する現象が月1回以上あるのは、大問題なのではないか。知らなかった自分を恥じた。

■リモートワーク


using computer at home hand

井土と話し合って、生理がひどい日は自宅のパソコンを動画中継ツールでつないで、在宅勤務を認めることにした。映像はオフにする。本当につらいときは、午前中を休暇にしたり、午後から出勤して終業時間を延長したりすることを決めた。あるいは1日休んでもいい。

日本の法律では、生理休暇が認められている。労働基準法によると「使用者は、生理日の就業が著しく困難な女子が休暇を請求したときは、その者を生理日に就業させてはならない」。

だが、生理休暇を取る人は少ない。朝日新聞の2006年6月9日の記事「生理用品 どう進化した?」では、民間企業で働く女性が生理休暇を取得した割合は、ピークの1965年が26%だったの対して、1981年は13%となり、2004年には1.6%になったことを厚生労働省の調査として紹介されている。いまも取得率は低いままだ。

記事では、「休暇を取れば(仕事上)不利になる」という意識から、「薬で痛みをコントロールしている」可能性が指摘されている。

■生理休暇はずるいのか


1986年の男女雇用機会均等法の施行以降、オフィスでの男女平等は進んできた。ハフィントンポストも編集部員のおよそ半数は女性だし、普段書いている記事でも、男女や様々な性(LGBT)によって差別しない社会の大切さを訴えてきた。

だが、差別をしないとは、みんなを同じ扱いにするのことではなく、一人ひとりの違いを理由に態度を変えないという意味だ。いくら権利や待遇の平等化が進んでも、人間には「カラダの特徴の差」という、埋められない、であるがゆえに美しい多様性がある。

田口亜紗「生理休暇の誕生」(青弓社)によれば、敗戦直後の1947年に制度化された生理休暇は世界的にも、あまり類をみない日本独特のもの。明治以降、西欧医学の考えが日本にも入り、病人とみなされなかった月経期の女性が「弱い者」「医療の対象」とされ、さらに労働運動の盛り上がりと一緒に生まれたという。

ところが今の時代は、「男性が冷たい目で見る」「同僚に迷惑がかかる」など様々な理由で取りづらい点も指摘されている。

Yahoo!Japan知恵袋にも、女性社員が生理で休むのがよっぽど許せないのか、こんな投稿があった。

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女子社員のの生理休暇取得を何とか邪魔(制限)できないものでしょうか?
うちの職場の女子社員の中に、毎月必ず生理休暇を取る人が数名居ます。
しかも、仕事の締め切りが有る金曜日とか、資料提出をする月曜日に、彼女の休みが集中して、他の女子社員のヤル気にも悪影響を及ぼしています。

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■痛みが分からないなら、語ればいい


talk
ハフィントンポスト編集部で筆者と話す井土亜梨沙(右)

私は、生理の痛みがわからない。これまで女性に聞いたこともなければ、知ろうともしていなかった。若い頃は、生理が来る日とは、「性行為ができない日」としか思っていなかった。あるいは恋人が少しふさぎ込む日として。ずっと「よく分からない日」だった。

学校での性教育は男女別々におこなわれたので、自分の性のことはわかっても、身近にいる「女性」のことは、学ばないまま来た。

2017年の1年間をかけて、ハフィントンポストは生理のことも含めて「女性のカラダ」のことを集中的に発信して、みんなで会話をする場を作っていきたい。

「女性の社会進出」について私たちはその大切さと効果をイヤというほど語ってきた。企業のトップや政治の世界も女性が増えてきた。学問の世界も女性の活躍がめざましい。

まだまだ足りないところもあるが、「女性が働く社会」の次のステップに行くために、職場の仲間のこと、一緒に働くパートナーのこと、もっともっと知るチャンスを広げてもいい。そんな時期に来ているのではないか。そして知ることで、日本の働く場所が良くなると、心の底から信じている。

部下はどういう気持ちで、告白したのか…→部下のブログはこちら


ladiesbeopen

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