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〈決まらない最終処分場〉さまよい続ける指定廃棄物

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東京電力福島第1原発事故で高濃度放射性物質に汚染された松戸、柏、流山の3市のごみ焼却灰が手賀沼終末処理場(我孫子市、印西市)に強行搬入されたのは2012年12月21日のことだ。現場は騒然とし、住民はプラカードとマイクでトラックと対抗した。

この問題は各自治体でごみ焼却灰を処理できなくなり、2012年8月に4市1組合(松戸市、柏市、流山市、我孫子市、印西地区環境整備組合)の連名で千葉県に対して「放射性物質を含む焼却灰の最終処分の一時保管場所等の緊急要望」を提出したことが発端となっている。そして2ヶ月後の10月に千葉県が手賀沼終末処理場を一時保管場所として提示してきた。この年の11月は我孫子市議会議員選挙があり、新人候補の私はもちろんのこと、現職議員もこの一連のことを聞かされておらず、議員に説明が行われたのは市議選後初の定例会12月議会の委員会である。

あれから2年弱。この期間、それぞれの立場でそれぞれが活動を続けた。住民は訴訟を起こし、我孫子市議会は複数回にわたり反対決議を全会一致で可決させ、環境省、千葉県、搬入3市に対して抗議や要望を幾度となく繰り返した。一方で千葉県議会では一時保管場所の設置を求める決議にて、我孫子市選出の自民党議員・民主党議員(当時)も賛成し全会一致で決議され、我孫子市議会と市民の落胆は計り知れず、千葉県と泥沼化したやり取りが続いた。

我々は千葉県と協定書を結び、最終処分場ができなければ2015年3月31日までに必ず搬入した各自治体が自分のところに持ち帰ることとし、その協定書を遵守した形で搬入3市が搬出を開始することとなった。自区内処理を原則とする観点からも、押し付けられた側(我孫子市・印西市)からすれば自分の自治体に持ち帰ることは当たり前のことである。

今後、安全対策をしながら搬出されることになるが、結局持ち運ばれた指定廃棄物は元のところに戻るだけである。この搬出や搬入にかかる費用、安全対策、テントにも莫大な費用がかかっている。東京電力に至っては各自治体でかかる放射能対策の人件費等まで賠償もしぶっている状況だ。国の埋め立て基準を超えた1キログラム当たり8千ベクレル超の放射性物質を含む焼却灰は税金で行ったり来たりしているのだ。

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しかも国が決めることになっている最終処分場も千葉県は候補地すら決まっておらず、根本的な解決には一切至っていない。更に遺憾なことに、この点に関して今回の衆院選で争点にすらなっていない。搬入した側の柏市と搬入された側の我孫子市の両方を選挙区とする千葉8区の候補者は誰ひとりとして国が決めるべき最終処分場のことを選挙公報に明記しておらず、地域の声の拾えてなさに愕然とした。

各県に最終処分場を作ることに関してはまた別に議論することとして、各自治体でさまよい続けるこの指定廃棄物の行き先や解決策も見つからないまま、原発の再稼働を議論するということ自体、私に言わせてみればおかしな話しである。
原発がない東葛地域に降って湧いたように放射能問題が発生し、我々は常に悩まされているのだ。いつ、自分の街に指定廃棄物が来ても不思議ではない世の中になってしまったことに多くの市民と声を挙げていくしか道は残されていない。

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