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【イスラム国】ジャーナリスト殺害が疑われるイギリス人ラッパーの素性が判明(動画・画像)

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イラクの過激派組織「イスラム国」(IS)はアメリカ人ジャーナリストのジェームズ・フォーリー氏を「処刑」し、その動画を公開したが、この殺害を行った人物として最も疑われているのは、ロンドン西部出身の元ラッパー(24歳)の男性だ。

アブデル=マジェド・アブデル・バリー氏は、過去にはBBCのラジオ番組「BBC Radio 1」で自身の曲が放送されたことがあるラッパーだったが、過激な言動で物議を醸してきたイスラム聖職者のアンジェム・チョウダリー氏(日本語版記事)とつながりのある人物たちとの活動を経て、過激化したとされている。

アメリカに駐在しているイギリス大使であるピーター・ウェストマコット卿は、NBC Newsの「Meet The Press」で次のように述べている。「現時点では、犯人が誰であるかを正確に言える段階ではないが、その段階に近づいてはいると思う」。さらに、「殺害を実行した人物の特定には『洗練された』音声認識装置が使用されている」という。

バリー氏は、シリアでISとともに戦うために、ロンドンの高級住宅地マイダ・ベール地区の実家を去った(100万ポンド[約1億7200万円]と見積もられる豪邸だ)。今年8月には、切断した敵の頭部を掲げた自身の姿を写した写真をネット上に投稿してTwitterアカウントを閉鎖されてもいた。

ロンドンを去り、砂漠で殺人者となったと思われるこの青年について、我々が把握していることを以下にまとめてみた。

1
彼はもともとは、ラジオ番組「BBC Radio 1」で曲が放送されたこともある、活動的なラッパー「L Jinny」だった。

彼の音声(上の動画など)は、保安局によって精密に分析され、ジェームズ・フォーリー氏の殺害映像に収められているロンドン南部訛りの声と比較された。

2
しかし、彼はミュージシャンとしての過去の痕跡をすべて消し去ろうとしていた

「彼はしばらく前に、『私の(音楽)ビデオはすべて削除してほしい。今の私はこれらすべてを拒絶している』とツイートしていた」という。ロンドン在住の研究者で、バリー氏のツイッター・アカウントを過去1年フォローしていたラファエロ・パントゥッチ氏が、「Evening Standard」の記事で述べた情報だ。

3
彼の一家は、ロンドンの高級住宅地マイダ・ベールにある100万ポンド相当の家に暮らしていた。

マイダ・ベールのランドルフ街道沿いに立つ彼の実家は、ロンドンのカウンシル(自治体)が所有する物件だが、彼はそこで兄弟と一緒に母親に育てられた。

4
彼は、切断された頭部と一緒にポーズを取った写真に、「同郷の仲間(の遺体)との『ツーショット』」とキャプションを付けてツイッターに投稿した。

シリアで戦うためにロンドンを去った後、彼は定期的にソーシャルメディアの更新を行っていたが、切断された頭部との「ツーショット写真」を投稿したため、ツイッターへのログインを8月中旬に禁止された。多くの人々は、この写真においてバリー氏が、左手で頭部をつかんでいた点を指摘していた。ジェームズ・フォーリー氏を斬首した映像において、処刑した「ジハーディー(イスラム戦士)・ジョン」がナイフを手にしていたのも左手だったからだ。

5
彼は過去にシリア反政府軍に誘拐され、暴行を受けたことがある

私とアブ・フセインはFSA/IFに誘拐され暴行を受けた。AK47(自動小銃)や7ミリ銃、クルマ、電話や現金も盗まれた

ISは過去に、自由シリア軍の中の比較的穏健な反アサド派の軍隊と武力衝突したことがある。

6
彼は、現在裁判を待つイスラム教過激派の息子だ。

バリー氏は、国際テロ組織「アルカイダ」とつながりを持ち、テロ行為の罪で起訴され、現在ニューヨークで勾留されている過激派のアデル・アブデル・バリー容疑者の息子だ。アデル・アブデル・バリー容疑者は、1998年にケニアとタンザニアで起きたアメリカ大使館爆破事件に関与していた疑いをもたれている。

7
彼は、「アブ・カラシニコフ」という名前や「アッラーの兵士」を自称して戦っていた

バリー氏のツイッターアカウントは、これまで何回もアクセスを禁止されてきたが、大量の武器と一緒に写る自身の写真を投稿したこともあった。

8
彼の母親は、子供が学校で受ける「悪影響」を心配し、子供をほとんど学校に通わせず、自宅で勉強させていた

バリー氏の母親のラガさんは、「Guardian」のインタビュー記事で、「夫がアメリカへ引き渡され、裁判で戦っていたため、ロンドンの家では私ひとりで子供たちを育てなければなりませんでした」と、述べている。

父親が勾留されたため、一家は国からの給付金だけで生活しなければならなかったという。インタビューを行ったヴィクトリア・ブリッタン氏は次のように述べている。「母親は、バリー氏の年上の兄弟たちから、アパートの外のロンドンの様子について話を聞くようになった。外の世界では、ドラッグや暴力、刃物を使った犯罪、学校の無断欠席などの問題が起きているのだという。それを聞いて不安になった母親は、子供をなるべく学校へ行かせないようにし、自宅で一般中等教育修了証試験の勉強を教えた」

9
彼は「アノニマス」の支持者だ

バリー氏は、別の2人のラッパーとともに、政治的主張を目的としたハッキング活動を行うハッカー集団であるアノニマスの支持を表明する賛美歌を、セント・ポール大聖堂の前での映像とともに収録した。

[Jesssica Elgot(English) 日本語版:丸山佳伸/ガリレオ]

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