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親愛なるドナルド・トランプ米合衆国次期大統領へ

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はじめまして。

まず、アメリカ合衆国の次期大統領に当選されたことをお祝い申し上げます。また、あなたが選挙公約に掲げた「アメリカを再び偉大に(Make America Great Again)」という目標を在任中に必ず実現させ、アメリカがより強くてフェアな国へと進歩することを心よりお祈りいたします。

私は19年前に北朝鮮を逃れて韓国に定着している脱北者で、現在「自由統一文化院」という団体の院長を務めています。私を含めた、大韓民国に定住している3万の脱北者たちは、アメリカと韓国が実践してきた自由民主主義と市場経済体制が北朝鮮住民にもプレゼントされ、一日も早く、3代目まで続いている独裁の地獄から脱することを切に願っています。

これこそが、現在世界の平和と安全を脅かしている北朝鮮の核を無力化し、残酷な弾圧に苦しんでいる北朝鮮住民の人権を取り戻してあげる唯一の方法であり、脱北者にとっても親と兄弟、友達のいる故郷に帰れる唯一の道であると思います。

7月の共和党全国大会で採択された政策綱領も「キム氏一家が統治する奴隷国家の変化が避けられない」ことを認め、「核の災いに対抗し皆の安全を守るために朝鮮半島の肯定的変化を急ぐ」必要性を明らかにしています。私たち脱北者は、北朝鮮を変化させようとする米共和党の方針に積極的に共感し支持を送り、共和党候補として大統領に選ばれたあなたも、共和党の北朝鮮に関するこのような認識をつなげていくと信じています。

あなたは2016年2月10日、アメリカCBSのあるトーク番組に出演し「どんな形であれ、中国が彼(金正恩)を早く消すようにさせる」と公言しましたし、機会がある度に北朝鮮の金正恩独裁政権を終息させると公約してきたとお聞きしました。私はあなたの意見に深く同意し、その強い意志を尊敬しています。

今回の米大統領選であなたが公言した「米国第一主義」について、国際外交専門家の中では「新孤立主義」と懸念する声がありました。しかし、これまでアメリカ政府が国際社会の問題においてリーダーシップを発揮したことが、アメリカの国益を計算しなかったからではありません。

ビジネス界で大きく成功するほど高度の知略家として生きてきたスマートなあなたですから、これからホワイトハウスに入城し重鎮たちと膝を突き合わせて現実政治を見つめはじめると、北朝鮮の存在がアメリカにも脅威になることをすぐに理解するでしょう。北朝鮮政権という脅威要素を賢明に取り除くことも「アメリカの国益のため」であることを改めて申し上げます。

また、あなたについて「極端すぎる」「一貫性がない」などの批判もありました。だが、私はこれもあなたが成功した戦略家らしく多様なプランを持っているのだと期待したいです。北朝鮮に関するあなたの発言を見てみても、「核施設の先制攻撃」から「ハンバーガー対話」に至るまでその幅は非常に広いです。

今後、有能な官僚を起用して冷静かつ理性的な内閣を構成し、あなたが持っている色々なカードの中でどれが一番威力を発揮するかを検討し、そのカードを一番決定的なタイミングに切ると信じたいです。そして、そのカードはあなたが公言した「金正恩独裁政権の終息」に向けた強力な圧迫カードになることを信じて疑いません。

悪の根っこは取り除くべき対象であり、交渉の相手ではありません。私は、あなたがこの悪の根源を取り除く意志を持つ適任者であると考えます。

あなたは成功した実業家で、レーガン大統領の自由主義政策と戦略をロールモデルにしていますから、レーガン大統領が旧ソ連の共産体制を崩壊させることでたくさんの東ヨーロッパ人を搾取・虐待・貧困の地獄から解放させ、彼らに自由民主主義と市場経済体制をプレゼントしたように、あなたも在任期間中に、共産主義にしがみついて歪んだ独裁政権が専横を極める北朝鮮を自由化し、新しい世界秩序を築き上げることと期待しています。

11月11日は、7人の北朝鮮住民が韓国に入国することで、韓国に亡命した脱北者数が3万人を突破する節目の日でした。この数字は、韓国の自由民主主義・市場経済体制が北朝鮮住民たちの切望する体制であることを証明しています。なお、11月15日には脱北者らが集まって「トランプ米次期大統領に勧める北朝鮮政策映像フォーラム」を開催しました。

脱北した有識者たちが北朝鮮での経験と冷静な判断に基づいて「北朝鮮の核・ミサイル撤廃」「人権保障」「独裁終息」のための北朝鮮政策を提案する場となりました。もちろん今後、あなたの周りにも世界有数の北朝鮮専門家が採用されて望ましい北朝鮮政策を提案すると思いますが、北朝鮮を自ら経験した私たち脱北者の声にも耳を傾けていただけるようお願いいたします。

もし、お時間を割いていただくことができるなら、脱北有識者たちがあなたとお会いし、実現可能な北朝鮮政策づくりと政策推進の一助となる貴重な機会をいただきたく存じます。希望を抱いて、あなたとお会いする日を楽しみにお待ちしております。

最後に、「偉大で強いアメリカ」「平和と正義の世界」の建設に向けて偉大な旅をスタートするトランプ氏のご健勝と、ご家族の皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます。アメリカ合衆国にも神のご加護がありますように。

2016年11月
イ・エラン「自由統一文化院」院長