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現実味を増すブルームバーグが予測する2016年最悪のシナリオ

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昨年末に、Bloombergは2016年最悪のシナリオを10個発表したが、そのシナリオが現実になる可能性が高まりつつある。

本当にイギリスはEUを離脱してしまうのか?


その一つが、イギリスのEU離脱である。

この「最悪のシナリオ」では、キャメロン首相が予想より早く6月に国民投票実施を呼びかける(先日、6月23日に国民投票の実施が確定した)。

さらに、ロンドン市長のボリス・ジョンソン氏は「EU離脱キャンペーン」を行い、難民流入への恐怖を煽りキャメロン首相を辞職に追い込む。実際、こちらも先日、EU離脱を支持すると表明。親欧州でありながらキャメロン首相と対立するポジションを取っている。その先には次期党首選を見ているのは確実だ。


そして、ここからが最悪のシナリオだが、首相になったジョンソン氏はEU離脱に関する議論をはじめ、自由貿易圏に留まろうとグローバル銀行やヘッジファンドは外国に移転。工場も次第に海外に移転していく。その結果、景気が長期的に悪化していくというシナリオだ。

現時点では、ジョンソン氏がEU離脱支持を表明したのはEUに妥協してもらうためだと見られているし、シティ(ロンドンの金融街)から銀行やヘッジファンドがいなくなるというのは想像しにくいが、ジョンソン氏がEU離脱支持を表明するまでは当たっており、必ず起きないとも言えない。

国民がEU離脱を支持する可能性もあるし、本当にイギリスがEUから離脱したら何が起こるかわからないというのが正直なところだ(関連記事:イギリスが「Brexit」したらどうなるか ー アナ・パラシオ(スペイン元外相))。

トランプが大統領に?


また、もう一つの最悪のシナリオも着々と進んでいる。それはトランプ氏が大統領に就任するというものだ。初戦のアイオワ州での敗戦によって、トランプ現象も終わりかと思われたが、次のニューハンプシャー州では予想を上回る勝利で、再び主役に戻ってきた。そして先日行われたサウスカロライナ州では、2位のルビオ上院議員に10ポイント差もつけて勝利している。

さらに、3位にクルーズ上院議員が続いているが、サウスカロライナ州はキリスト教徒が多く、ここでクルーズ氏が3位になったことは、彼の現在の勢いのなさを意味していると思われる。

そして、共和党「主流派」であるジェブ・ブッシュ元フロリダ州知事が辞退を表明し、彼の支持層はルビオ氏に流れるとみられている。そのため、実質的には共和党はトランプ氏対ルビオ氏の一騎打ちとなった形だ(関連記事:民主党はヒラリー・クリントン、共和党はトランプが勝利ーネバダ州・サウスカロライナ州)。

「主流派」の支持を集めるルビオ氏がこれから伸びてきそうではあるが、先日の討論会で弱さを露呈し、まだわからない。実際、ネバダ州でトランプ氏は圧勝し、詳細結果を見なければわからないが、ヒスパニック票もトランプ氏に多く流れたとみられている。現在のトランプ氏の勢いは想像以上に強く、トランプ氏が共和党候補に選ばれる可能性は十分にある。

一方、民主党のヒラリー・クリントン前国務長官はバーニー・サンダース上院議員に苦戦している。黒人からの厚い支持によって勝てているが、若者からの支持は圧倒的に負けており、民主党候補に選ばれても本戦では勝てるかわからない。スキャンダル問題は大きなダメージとなっており、その信頼性を傷つけている。

そして、Bloombergの予想する「最悪のシナリオ」では、トランプ氏が大統領になった後、米国連邦税法を改定し(中間層に減税)、メキシコとの間に壁を立てて移民政策も厳しくする。また軍事力を強化すると予想されている。

さらに中国による偵察行為を厳しく取り締まり、北京との緊張も高まる、というシナリオだ。

このシナリオは、トランプ氏が大統領になった後であれば、実現する可能性は高いだろう(関連記事:米大統領候補トランプ「我々は中国と日本を打ち負かすぞ!」ー勝利宣言にて)。3月1日の「スーパーチューズデー」で(15州・米領で党員集会や予備選挙が集中的に開かれる)、トランプ氏が多く勝利するようであれば、こうした「最悪のシナリオ」に本気で備え始めなければいけないかもしれない。

(2016年2月24日「Platnews」より転載)

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