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鳥越俊太郎「ネットはしょせん裏社会」。なるほど落選するわけですね。

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長妻事務所で働いて以来、選挙というものにかかわって10年近くになりますが、こんなひどい選挙はかつてありませんでした。東京都知事選挙。もう少し冷静に客観的に総括しようと思ってましたが、ハフポストの鳥越氏インタビュー記事でブチキレました。

 


「100点満点の人間など存在しない」中で選ぶのが選挙というものですが...。

 

人間に「100点満点の人間」など存在しません。

欠点のある人間の中から、権力を託すにふさわしい人物を選択するのが選挙というものです。

 

選挙というのは、候補者を勝たせなければなりません。

候補者の勝利のために、チーム全体が足並みを揃えなければなりません。

候補者の選択は慎重を期さなければなりませんが、ひとたび結論が出て、この候補者を担ぐと決めた以上は、諸々の欠点が見えたとしても、それをチームの力でカバーするようにしなければなりません。

 

その中では往々にして、すべてのチームメンバーに忍耐が必要になります。

忍耐が必要なかった選挙など、私が経験してきた中ではひとつもありません。

 

しかし、候補者が「チームのなんたるか」をわかってないという最悪のケースだったのが、今回の都知事選鳥越選挙でした。

 

 

鳥越俊太郎公式サイトから、都知事選関連コンテンツが全消滅。誰が? なぜ?

 

鳥越俊太郎公式サイト

 

私が気づいたのは8月5日でした。

鳥越俊太郎公式サイトから、都知事選関連コンテンツが、見事に、きれいに、ことごとく消されていたのです。

まるで、都知事選に立候補などしなかったかのよう。

 

どういうつもりでしょうか。

鳥越氏のために政策を作った方々、写真やイラストを準備した方々、それらに共感して応援してくれた多くの有権者を、すべて切り捨てる行為と言っても過言ではありません。

 

これを見て私は、鳥越氏が「チームを切り捨てた」とみなし、ならばもはやこちらも鳥越氏をチームとはみなさず、本人の責任も含めて率直な、ただし冷静に、今後選挙に取り組む人々のためになるような総括をしようと、いろいろ考えていたところでした。

ところが。

 

「ペンの力って今、ダメじゃん。だから選挙で訴えた」鳥越俊太郎氏、惨敗の都知事選を振り返る【独占インタビュー】

 

それは知らない。僕は全くノータッチだから。なくなったの?知らない。見たこともないし。

 

鳥越俊太郎氏はハフィントン・ポストのインタビューに対し、公式サイトのコンテンツがなくなったことを「知らない」と答えました。

 

ハァ?

じゃあ誰が消したんだ。

 

旧選対本部の関係者に聞いてみたところ、鳥越氏のマネジメント会社の意向によって削除された、とのことでした。

今後の番組出演や講演会活動を行う上で、都知事選の色をなくしたい、との意向とのことです。

 

ふーん。

マネジメント会社の意向、ですか。

マネジメント会社の意向って、鳥越さん本人の意向より上なんですかねぇ。

本当に、本人に何の意向確認もしないでやるもんなんですかねぇ。

 

 

「本人の責任」がまったく見えないところこそが、最大の「本人の責任」。

 

鳥越俊太郎という候補者は、知名度こそ抜群であるものの、政治家としての修行を積んでいないし、都政についての知識もない、という初期条件であることは、最初から明らかでした。

そこをカバーするための作戦として、「聞く耳」を強調した選挙活動を選対では企画したわけです。

 

敢えて選挙期間中に「視察」を行い(選挙期間中に視察をやった候補者なんか、私見たことありませんよ^^)、リアルな都政の課題を候補者が学び、寄せられた声に候補者が共感する中で、その共感を有権者の中に候補者が広げていき、候補者が政治家として成長することが期待されていたわけです。

 

ところが、鳥越俊太郎氏が街頭演説のたびに、毎回大きな時間を割いてしゃべっていたのが「脱原発」「非核都市宣言」「憲法問題」「平和の問題」でした。

ある報道では、鳥越氏のすべての演説時間中の7割がこれらのテーマで占められていたとのことですが、おそらくそれくらいの割合でしょう。

 

鳥越氏の語っていた、介護や保育の問題解決への想いが、ウソだったとまでは思いません。

しかし、有権者は、候補者が何に力を入れて話しているか、何を「毎回」話しているか、そここそを鋭く聞いています。

有権者は鳥越氏に対して「ああ、脱原発がやりたい人なのね」と、端的に理解したことでしょう。

こうなると、細川護熙氏とまったく同一視されて当然です。

 

私も脱原発はいずれはやらなければならないことだと思っていますが、いま、都知事選で、脱原発をメインイシューに持ってきて勝てるわけがないというのは、あらゆるデータが示しています。

 

ハフポストのインタビュー記事で、鳥越氏は、さも自分に何も決定権がなかったかのごとくに語っていますが、「演説の内容」は100%鳥越氏が自分の考えでしゃべっているはずです。

演説の内容のバランスが悪いことは、周囲から何度も指摘されているはずです。

それでも鳥越氏は「周囲の声を聞かなかった」のですから。

 

このハフポストの記事でも、ひたすら鳥越氏は「自分の責任」から逃げています。

 

――選挙戦の結果はどう受け止めていますか。

どう、と言われても、まあこういう結果だったな、としか受け止めていないですね。本当にとっさの決断だったので計算は全くしていないんですよね。

 

愕然となる無責任さです。

何千人という人が時間を割いて、電話かけ、ポスティング、集会の手伝い、その他数多くの協力をしてくれたのですけれども。

 

転換点は、やはりあの、巣鴨とげぬき地蔵商店街での街頭演説でした。

炎天下、楽しみにしていた人々を大勢待たせていたのに、森進一さんが40秒程度しゃべっただけで、本人は一言もしゃべらずに終わってしまったという一件です。

選対本部にはたくさんのクレームが寄せられました。

 

なぜこんなことになったのか?

明確な理由はわかりません。

しかし、「本人の責任ゼロ」ということはあり得ないと思います。

少しでも選挙をわかってる候補者なら、回りが止めても、「1分でいいからしゃべらせろ!」と言うはずですから。

 

公式サイトからコンテンツが消えたのも。

朝の街頭演説から逃げたのも。(朝が「ゼロ」という候補者も初めてです)

テレビ討論会から逃げたのも。

ニコ生から逃げたのも。

文春記事についての本人自らの説明から逃げたのも。

 

どれに対しても、鳥越さんは「自分の責任ではない」とおっしゃる。

 

その態度こそが真の敗因であり、真の「本人の責任」です。

 

そんな人物には、誰もついていかないのですよ。

故なきネガキャンなら、味方は結束します。

しかし、無責任な態度は、味方を離れさせるのです。

これが真の敗因です。

 

 

「ネットはしょせん裏社会」という「二重の間違い」

 

先のハフポストのインタビュー記事で、最も許せなかった下りがこれです。

 

あなたたち(ハフポスト日本版)には悪いんだけれど、ネットにそんなに信頼を置いていない。しょせん裏社会だと思っている。メールは見ますけれど、いろんなネットは見ません。

 

「ネットはしょせん裏社会」。

 

愕然となりますよね。

 

ご承知のとおり、私は鳥越公式Twitterに現場のコンテンツをを大量投入してきた「バンキシャ」です。

参院選では東京選挙区で小川敏夫さんを逆転当選させるのに貢献できましたし、都知事選でも大きな成果が出ています。

Twitterのリツイート数では、鳥越公式Twitterが候補者の中でトップなのです。

アクティビティ数を鑑みても、鳥越公式Twitterを見た人は100万人単位で存在していると考えられます。

Twitterを見て街頭演説を見に来た、とおっしゃってくださった高齢の方も多くいました。

さらに、バンキシャチームの取り組みは選挙期間中に3回テレビに取り上げられており、「リアルタイム感を重視したネット戦略」として高く評価されています。

 

これを「しょせん裏社会」とおっしゃる。

私は裏社会の人間で、Twitterを見て応援してくれた方々も裏社会の人間ですか。

 

愕然となりますよね。

 

鳥越氏は、ネットについて、二重の間違いをしています。

ひとつは、上記のような、選挙へのインパクトを軽視しているということ。

もうひとつは、「あなたの味方をしてくれるメディアは、ネットしかなかったんだけど」ということです。

 

テレビ・新聞は「公平性」に縛られ、放映時間やスペースに限りがあります。

週刊誌・雑誌はご承知のとおり。

ネットにはもちろんアンチも大勢いましたが、「100%味方をしてくれるメディア」は、ネットの中にしかなかったのですよ。

私はそうした、「各候補者を100%応援するネットメディア」によって、既存の選挙報道を変えたいという想いをもって「バンキシャスタイル」に取り組んできたわけですが。

 

愕然となりますよね。

 

選挙とは、ひとりでも多くの共感を束ね、ひとりでも多くの味方を集め、ひとりでも多くの人に協力をしてもらって、初めて勝利が近づいてくるものです。

そういう活動のために最低限必要になるものとは。

礼節。誠実。真摯。感謝。

そして、自らが先頭に立ってチームを引っ張っていこうとする姿勢こそが求められます。

そういうものがない候補者が負けるのは、当然のことです。

 

鳥越俊太郎さん、か。

有権者に対して、お辞儀をしたこと、一回でもあったっけかなぁ。

 

中妻じょうた 板橋区議会議員