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世界で婚活して分かったこと

2015年07月08日 01時54分 JST | 更新 2016年07月06日 18時12分 JST

反対されたら結婚中止!?

ここ最近うちの極小ベランダが鳩の糞だらけ。パリは鳩が多くて困ります。

その汚いベランダの横で原稿を書き書きしています。これぞパリのリアル。

ところで、 街の新緑が最も美しいパリの6月はジューン・ブライドのシーズンです。

私の結婚式は2年前の6月。近所の区役所でフランス人の旦那さんと挙げました。

中村綾花(なかむら あやか)

ラブジャーナリスト、ライター。1980 年福岡県生まれ。県立長崎シーボルト大学(現・長崎県立大学シーボルト校)国際情報学部情報メディア学科卒。2010 年に「世界婚活」プロジェクトを立ち上げ、世界婚活の旅へ。2012 年、世界婚活中に出会ったフランス人と結婚し、現在はパリにてLOVEを調査中。その軌跡をまとめた『世界婚活』(朝日出版社)が好評発売中。日仏カップルや、現地のフランス人・日本人にインタビューをする日々。 パリを案内するプライベートガイド「パリジャンガイド」としても活動中。 twitter:@ayakahanウェブ連載:恋愛サイトAMパリ支局「結婚と幸せの方程式」

結婚式といっても、所要時間たったの15分。誓いの言葉を聞かれて、「oui」と答えてサインして終了です。式を仕切るのは区長さん。「あれ? ランニングの後の参加ですか?」と聞いてしまいそうなラフな姿に拍子抜けしたのを覚えています。


友人お手製の花束と式後にもらう重要な家族手帳


パリでの入籍・挙式の手続きはというと、まずは自分の住む区役所に出向き必要書類を提出。日取りの予約の後、10日間ほど役場に結婚希望者二人の個人情報が掲示されます。

この掲示の期間、結婚反対の人が現れたら結婚式は中止!

問題なければ無事に予定通り結婚できるという流れです。だから、私たちはこっそり手続きをして6月の式当日を迎えました。別に誰かに反対されるってことはないでしょうが、念のためにね。

厳かに 行われた結婚式の後は、結婚パーティーを開催するのが一般的です。私たちの場合は自分たちの小さなアパートに移って家族や友人でシャンパンで乾杯&ケーキカットでお祝いをしました。

結婚式当日が月曜日という平日だったので、直前の日曜日にも、正式な結婚パーティー(バーベキュー)を実家の庭で開催しました。


旦那さんの好きなオレンジで統一し、折り紙や風船で飾りつけ


以上で終了。シンプルなもんです。

結婚式に使ったお金は合計10万円以下。

これに対して、日本の平均挙式費用は343.8万円(「ゼクシィ結婚トレンド調査2012」より)。そんなにかかるなんて、ちょっと信じられません。

私の質素結婚式にかかった料金と日本平均の内訳を比べてみると、


※日本平均の出典は「ゼクシィ結婚トレンド調査2012」より。1ユーロは150円で換算。

と、愕然とする差であります。


パリのブティックで購入した60ユーロのワンピース

※旦那さんは絶対にメディアに出演したくないというひねくれフランス人なので、私の写真だけでご勘弁ください。

私の結婚式がとくに質素だったというのはありますが、ほかパリジャンたち の結婚式の話を聞いてみても質素なものです。

レストランでの会食だけで済ませる人もいれば、田舎の家と庭を借りて野外パーティー(ブーケやテーブルの花は庭で摘んだものとか)、セーヌ川に浮かぶ小さな船上バーを貸し切りパーティーしたり等々。 派手さや豪華さを求めるというよりも、限られた予算のなかでオリジナリティーを工夫する傾向があるようです。

先日義理の姉がパリ郊外で挙げた式もなかなか質素なものでした。昔、動物小屋だったという風情のある木造の建物を借り、友人や身内がテーブルセッティング等の準備を手伝うという全て手作りの結婚式だったのです。この手伝いのおかげでいろんな人と親交が深まってなかなか楽しかったですよ。


レンタル会社から道具一式借りて、みんなでテーブルセッティング

結婚パーティーを、古城や南の島で行うというフランス人もいますが、なかなかそこまで予算をかけられる人は少ないです。

また日本と比べると、「普通こうすべき」とか「これが当然」という世間のルールに縛られることもなく、各々が好きなように行うフランスの結婚式。

ちなみに、パリに住む日仏カップルたちは、日本とパリと両方で式を挙げるという強者もいます!

私も日本でもお祝いはしました。しかし、日本で高額のお祝儀をいただく型にはまった結婚式を挙げるのがどうしてもいやで(自分自身が独身の時、金銭的にも精神的にも負担だったから)、日本では居酒屋のお座敷を貸し切って、なるべく低価格の参加費でおさまるような披露パーティーにしました。

世界で婚活をするにいたるまで

このように、いまでこそ結婚してのほほんと暮らしている私ですが、パリに来るまで、


「死ぬ程結婚したい!」

という思いにとらわれていました。

孤独への恐怖と仕事の先行きへの不安に押しつぶされそうだった私は、

「結婚すれば幸せになれる」と思い込み、婚活に走る日々。

婚活サイトに登録したり、苦手な合コンに行ったり、異業種交流会などなどに顔をだし......。

ところが、がんばってもがんばっても努力が実を結ばず疲弊するだけ。

そうこうしているうちに、当時契約社員だった私は、契約切れというかたちで首切りにあいました。失業です。

(本当はいろいろなことがあったんですが激しく省略しています。詳しくは「世界婚活」朝日出版でお読みください!)

もう、日本でだめなら旅行がてら世界にでればいいや。仕事もなくなったし。

こう思って一人、世界婚活の旅に出たのです。

あれです。マーケティングの発想です。日本で売れなければ、売れる場所に行ったらいい。

「売れる」って言葉が乱暴ですが、要は自分の価値を認めてくれる人が多い場所、受け入れられやすい場所に行った方がいい、そう思ったのです。

それに「日本列島の中だけで男性を選ぶより、世界の大陸で探せば確率が一気に上がるわ!」ということにも気がつき、まずはヨーロッパ大陸から攻めてみたのでした。


パリのカフェに立ち寄ったときのセルフポートレート

世界婚活中に出会った珠玉の言葉

今改めて振り返ってみると、「死ぬほど結婚したい」と願う私がいた一方で

「なんで結婚しなきゃいけないんだ?」

「こんなに苦しいのはなんで?」

「そもそも、結婚ってなんなのよ!」

と、戸惑っている私もいました。

この戸惑いを解消するのも旅の目的であったので、世界婚活道中で出会った人たちに、たくさんの質問をぶつけてみました。

すると


「結婚という一般的な幸せでなく、自分にとっての幸せが何かを考えなきゃ」

「あなたは自分が孤独っていうけれど、誰かと二人でいるときの方が孤独を感じるわよ」

「一人で楽しめない人が、結婚しても楽しめないでしょ」

などなど、心に刺さる言葉をいろいろといただいたのです。

「自分がどうであれば幸せか?」

そんなこと、今まで考えたこともありませんでした。

もらった言葉を大切に噛みしめながらした婚活旅行では、日本と全く違う価値と生き方があることも改めて発見しました。

「結婚すべき」「結婚しなければ」「結婚してないと不幸」

日本と違ってこんなネガティブな思い込みをさせられるような雰囲気もない。

人の目を気にせず、自分の幸せを考える。


特にそれができた場所が、 パリでした。

日本にいる間ずーっとかぶっていた重い鎧を脱ぎ捨てて、素の自分になれたのです。

それまでは、自分らしくいられるどころか他人の目を気にして、別のキャラクターを演じていたところがあるのです。

東京だとなんだか環境がガヤガヤしていて、不安にさせる情報に押しつぶされそうでした。

でもパリは、私をそっとしておいてくれるし、人は人、自分は自分、と思えるのです。

落ち着いて自分にとって何が幸せなのか?をゆっくり考えることができます。

おかげでいま私の幸せは、はっきりしています。

好きな人と健康でのんびり生活をして時々美味しいものを食べて、時々旅行できること。

結構シンプルなことだったんですが、世界での婚活を経てパリにたどり着きやっと気づくことができたのです。

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