報告が増えているトコジラミによる被害。ゴールデンウィーク(GW)の大型連休で海外へ旅行する人も多い中、SNSなどでは「旅行先で被害にあった」「旅行先のベッドで発見した」などという投稿も散見されていて、改めて注意が必要です。
注意すべきポイントを改めてまとめました。
刺されるとどうなる?トコジラミとは
フランスでは2023年9月頃、住宅や宿泊施設などでトコジラミの大量発生が確認されました。また、韓国ではトコジラミの急増を受け、2023年11月から防疫期間として至る所で予防対策が行われていました。
日本も例外ではなく、被害の報告件数は増加傾向にあり、気温が上がる春と夏のシーズンは特に注意が必要な季節だといいます。トコジラミに刺されてしまうと、一体どうなるのでしょうか。
大阪府健康局の説明によると、トコジラミは体長5~8mmの茶褐色。名前に「シラミ」が含まれているものの、シラミ目ではなくカメムシ目に属しています。
そもそもこの分類を「意外」「知らなかった」などという人も少なくないようです。
成虫は、吸血をしなくても1年以上生きて、オスやメスに関わらず、幼虫から成虫まで夜に人が寝ている時に吸血することが多く、丸く膨れ上がる特徴があります。
吸血後は素早く潜伏場所に戻るため、トコジラミの存在に気が付かないことがあるという。また、人以外にも、犬や猫などにも吸血するといいます。
吸血されると激しいかゆみに襲われることがあり、症状がひどい場合には十分な睡眠がとれなかったり、皮膚を掻きむしることで皮膚に炎症が生じるなど、日常生活に支障をきたす恐れがあるという。
日本でのトコジラミの被害件数は、近年増えつづけています。
日本ペストコントロール協会の集計によると、2008年には100件以下だったトコジラミ相談件数は2009年から100件を超え、2018年には600件近くにまで上っています。
トコジラミは気温が25度前後で活発化するとされていて、特にゴールデンウィーク以降、夏に向けて対策が必要です。
最近では一般的な薬剤に抵抗性を持つ「スーパートコジラミ」も報告されているといいます。アース製薬の公式サイトによると、旧来のトコジラミと比べて1000倍以上の抵抗性を持つタイプもあるということです。
被害を抑えるための「4つ」の対策
旅行先で付着して家庭に持ち込まれることも多いというトコジラミ。どう対処すればよいでしょうか。虫除けなどを数多く販売するアース製薬のアドバイスが参考になります。
公式サイトでは「トコジラミに刺されたくない方に試してほしい4つの対策」として、旅行先でトコジラミ被害に遭わないためのポイントを紹介しています。
まず第一に注目することとして、旅行や出張などでホテルを利用する際、ベッドや床・壁などの「隙間」をチェックするように伝えています。
トコジラミが潜んでいないか確認し、痕跡がある場合は部屋変更などを依頼するとよいという。グレードの高いホテルでも油断は禁物だといいます。
次に、トコジラミを見つけた場合は、専用の駆除剤で退治すること。留学先やホームステイ先でも被害の報告があるとして、ホテル生活が長期にわたる場合は駆除剤を1本常備しておくと便利だと勧められています。
第3に、アイマスクなどを着用して電気をつけたまま眠ることも有効だといいます。トコジラミは明るい場所が苦手で、電気をつけたままにしておけば基本的には出てこないといいます。
確実な手法とは言えないものの、刺されるリスクを減らすことが期待できるとしています。
最後に、宿泊先や外出先から持ち帰らないように注意すること。トコジラミは繁殖力が高いため、何よりもまず持ち帰らないことが重要だといいます。
明るい場所で荷造りをし、帰宅後のスーツケースや手荷物に潜んでいないかも確認することが大切だということです。
また、トコジラミは飛ぶことはできず腹部をこすりつけて素早く歩き回る習性があるといい、「有効成分を含んだマイクロパウダー入りの駆除剤を床にまいておくのがおすすめ」だと紹介しています。