コンサート中の携帯音に見事な対応。ピアニスト角野隼斗さんの演奏が絶賛される

共演したアーティストも思わず笑顔に。悩ましい携帯音を一瞬で美しい展開へと導いた
イギリスのロイヤル・アルバート・ホール
イギリスのロイヤル・アルバート・ホール
George W Johnson via Getty Images

コンサートの途中で突然鳴り出した携帯電話。思わず眉をひそめそうになる展開を美しい瞬間に変えたのは、ピアニストの機転を利かせた対応だった――。

ピアニスト角野隼斗さんが魅せた即興演奏が、ファンや音楽家らをうならせている。

角野さんは4月22日、イギリスのロイヤル・アルバート・ホールで開かれたクラシックコンサートで、ジョージ・ガーシュウィンの名曲「ラプソディ・イン・ブルー」を演奏。

カデンツァ(ソロの即興演奏)の途中で、観客の携帯電話が鳴り始めるというハプニングが発生した。

多くの場合、携帯電話の音はアーティストたちにとって悩みの種であり、過去にはクラシックコンサートの演奏を止めてしまったこともある。

しかし、角野さんは即興でこの携帯音と同じような音色をピアノの高音域と低音域で奏で、携帯の音も自らの音楽に取り入れて演奏を続けた。

この即興演奏に、共演したロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管弦楽団のヴァイオリン奏者も思わず笑顔になっている。 

コンサートで指揮者を務めた、ベン・パーマーさんも「昨夜のクラシック・ライヴの最高の瞬間のひとつは、『ラプソディー・イン・ブルー』の途中で携帯電話が鳴った時に起きた」とXに投稿して、演奏を絶賛している。

「素晴らしいソリストの角野隼斗が即座に携帯音を真似して、途切れることなく即興演奏に取り入れたのです」

角野さんにとって、携帯電話の音は単なる雑音ではないようだ。

コンサートを主催したクラシックFMの取材に「周りから聞こえた音に直感的に反応するのが音楽家の性分なのです。それがロイヤル・アルバート・ホールのクラシックFMライブのデビューであっても」と答えている

角野さんは千葉県出身で、東京大学大学院在学中だった2018年にピティナピアノコンペティション特級グランプリを受賞。2021年にはショパン国際ピアノコンクールセミファイナリストに選ばれている。

ロイヤル・アルバート・ホールデビューとなる22日の演奏は、世界各国の交響楽団と共演してきた角野さんにとっても忘れられないものになったようだ。

「2年前観客として訪れた時から、いつか立てたら良いなと思っていた。本当に実現するとは思わなかった。楽しかったーー!!!」とXに投稿している。

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