
トランプ政権の強硬な移民摘発に対する抗議活動が続く中、トランプ氏の誕生日である6月14日に、アメリカ全50州で合計2000件の「ノー・キング(王様はいらない)」デモが行われる予定だ。
トランプ氏は14日に、自身の79歳の誕生日と、米陸軍の創立250周年を記念して首都ワシントンD.C.で大規模な軍事パレードを計画している。
デモは、この軍事パレードと同日に、トランプ氏に抗議する形で行われる。イベントのウェブサイトには次のように書かれている。
「『ノー・キング(王様はいらない)』は、国を挙げての抵抗の1日です。大都市から小さな町、裁判所の階段から地域の公園まで、私たちは独裁政治を拒否するために行動を起こし、真の民主主義がどのようなものかを世界に示します」
また主催者はトランプ氏の軍事パレードについて「強さを見せようとするためのショーにすぎません。しかし強さはワシントンで演出されるものではなく、他のすべての場所で立ち上がるのです」と批判している。
一方、トランプ氏は12日にホワイトハウスで開かれた記者会見でノー・キング抗議活動について聞かれ、「ノーキング?私は自分を王様だとは感じていない。何かの承認を得るために大変な苦労をしなければいけない」「王様などではない」と答えている。
どこで行われるのか
ノー・キングデモのウェブサイトには、各地の抗議活動の開始時間や場所などの詳細が記載されているインタラクティブマップもある。特に保守的とされるワイオミング州でも、10件以上の抗議行動が予定されている。
唯一予定されていないのは、トランプ氏の軍事パレードが行われる首都ワシントンD.C.だ。
主催者はその理由について、「6月14日は、トランプ大統領がいない場所すべてに軸を置きます」と説明した。
「トランプ大統領の軍事パレードと対立するためにわざわざワシントンD.C.に行くのではなく、対照的な姿を見せるためにあらゆる他の場所で立ち上がるのです」
主催団体の一つであるインディビジブルの共同創設者リア・グリーンバーグ氏は、最大規模のデモが行われるフィラデルフィアからライブ配信を行う予定だとニューヨーク・タイムズに語っている。
グリーンバーグ氏は、参加予定人数を明言していないものの、4月にインディビジブルが主催した「ハンズオフ!(手を出すな!)」デモよりも多くの参加希望があったと明かしている。「ハンズオフ!」デモには、ワシントンD.C.だけで推定10万人が集まった。
トランプ氏の軍事パレードには、数千人の兵士が参加するほか、装甲車や軍用機などが使われ、費用は約4500万ドルに上ると考えられている。
トランプ氏は10日、パレードをするワシントンD.Cで抗議活動が行われれば「非常に大きな力で対応するつもりだ」と述べて、デモを牽制した。
ハフポストUS版の記事を翻訳・加筆・編集しました。