本のカビを防ぐ『虫干し』ずらりと並ぶ書物が「知の棚田」「園児のお昼寝みたい」と話題

蔵書ケア談義に花が咲きました

中世ヨーロッパ史を専門とするブロガーのsousou(@sou_sou55)さんがXに投稿した写真が話題を集めています。

写っているのは、畳の上にずらりと並んだ数十冊の本。その壮観な光景に添えられていたのは、「虫干しが楽にできるグッズとかないんか…?」という一言でした。

虫干しとは、秋の晴天の日などに、書画・衣類・調度品などを陰干しして風を通し、虫害やカビを防ぐ伝統的な保存法のことです。

投稿は1000万回以上の表示を記録。「知の棚田」「まるで本の収穫祭」「園児のお昼寝みたいで可愛い」といったコメントが寄せられる一方で、「本棚にラベンダーを置くと防ダニになる」「新聞紙を挟むと匂いが取れる」などの実用的なアドバイスも続々と集まり、“蔵書ケア談義”が広がりました。

sousouさんが虫干しを行ったのは今回が初めて。「引っ越し後、段ボールに入れたままの本がカビ臭くなってしまって」といい、古民家での生活を始めたことをきっかけに『郷に入っては郷に従え』の精神で挑戦したそうです。現在の蔵書は約600冊で、今後も半年に1回から年に1回の頻度で虫干しを行う予定とのこと。

なお、国立国会図書館が全国の図書館などとつくっているレファレンス協同データベースによると、虫干しに適した条件は「9〜11月中旬の晴天日、湿度55%前後、午前10時〜午後3時ごろ」。現代では除湿機や除菌機が主流になりつつありますが、畳の上で風にそよぐ本たちの姿に、多くの人が紙の文化の温もりを感じたようです。