古典的な小型データ記憶媒体の究極の限界は、単一原子磁気ビットを使用することであると思われる。

古典的な小型データ記憶媒体の究極の限界は、単一原子磁気ビットを使用することであると思われる。ホルミウム原子は、磁気緩和時間が長く容易には情報を失わないため、単一原子磁気ビットの有望な候補と見なされている。

今回、F Nattererたちは、走査型トンネル顕微鏡を用いて単一ホルミウム原子の磁気の読み書きを実現し、個々の原子が長時間にわたって自身の状態を維持することを示している。著者たちは、こうしたホルミウム原子を用いて2ビットメモリーを作製し、とり得る4つの状態を書き込んだ。

次に、近接する磁性鉄原子をセンサーとして用いて、磁性状態を確認した。今回の研究結果は、単一原子磁気メモリーを実現できるはずであることを示唆している。

Nature, 543 7644

2017年3月9日

原著論文:

doi:10.1038/nature21371

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