生涯で必要な洋服は149枚だけ。驚愕の数字にあなたは買い物習慣を見直すだろう

その服、本当に必要?
クローゼットの中の衣類(イメージ画像)
Snapper via Getty Images
クローゼットの中の衣類(イメージ画像)

ファッション業界が環境に与える負荷が指摘される中、「洋服をたくさん買う必要はない」という提言を耳にすることも多いだろう。

では、実際に必要な服の枚数は何枚なのだろうか?

イギリスのサステナブル・ファッションブランド、Rapanui(ラパヌイ)によると、どうやら、生涯で必要な衣服はたった149枚のようだ。

Rapanuiが公開した以下の表では、イギリスの成人後(18歳以降)の平均寿命、約63.2年間に必要とされる149枚の衣服の内訳が明記されている。

下着やソックスは枚数に含まれておらず、Tシャツやジャケットなどは、それぞれアイテムの平均寿命により生涯何枚必要か計算されている。例えば、靴の平均寿命は1年、つまり生涯では63足必要。スカートは逆に寿命が5.62年と長いので、生涯で11枚、という計算だ。

Rapanuiが公開したミニマムなクローゼット「カプセルワードローブ」の内訳
Rapanui
Rapanuiが公開したミニマムなクローゼット「カプセルワードローブ」の内訳

イギリスの国家統計局の調査によると、イギリスの60%以上の家庭で不要な衣服があるという一方、1人あたり毎月平均43.88ポンド(約7100円)を服に費やしており、年間で換算すると526.50ポンド(約8万5000円)にも及ぶ。

Rapanuiはこの数字に、イギリスの成人後の平均寿命(63.2年)を掛け合わせ、私たちが生涯で洋服に費やす金額は3万3724.80ポンド(約547万円)と結論づけた。

この金額は、生涯で合計786枚の洋服に相当し、そのうち637枚は不要で最終的に廃棄される。

日本でも衣服の大量廃棄は問題視されている。環境省の調査によると、1人当たり、年間平均18枚の服を購入する一方、手放す服は12枚、1年間一度も着用されなかった服が25枚もあるという。そして毎日1300トン(大型トラック13台分)の衣服が焼却・埋め立てされている。

多くの古着が廃棄場に行きつく(イメージ画像)
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多くの古着が廃棄場に行きつく(イメージ画像)

地球への悪影響は、私たちのお財布にとっても負担となっている。私たちが一生の間、149枚だけのミニマムなクローゼット、または「カプセルワードローブ」で生活していけば、2万6965.60ポンド(約437万円)という大きな節約をすることができる。

「カプセルワードローブ」とは、洋服や靴などの数を最小限に抑え、その厳選されたアイテムをうまく着回し、様々なコーデを楽しむ、というコンセプト。2022年だけで、「カプセルワードローブ」はGoogleで3万9000回以上検索され、関連動画はTikTokで2億8640万回も視聴された、大きなソーシャルメディアのトレンドだ。

服は大切に長く着よう。でももし買うなら...

ファストファッションへの依存から早く脱しなければ、2050年までにファッションが世界の炭素予算の4分の1を占めるようになる。

では、どうすれば買った服を長く大切に着ることができるだろうか?

Rapanuiのサプライチェーン管理長リーナ・コールマン氏は、ダメージを与えたり縮んで着られなくならないように、衣類に記載されている洗濯表示に従うようアドバイスする。

「具体的な手順は別として、製品を長持ちさせるため、そして洗濯による環境負担を軽減するために、30度のクールウォッシュと吊り干しを推奨しています」

Tシャツを誰もがサステナブルに制作できるオンラインプラットフォームTeemillの共同設立者であるマート・ドレイク-ナイト氏は、カプセルワードローブの他に、サーキュラー(循環型)ファッションを取り入れたブランドからの購入を勧める。

「サーキュラーファッションでは、製品は社会の中で繰り返し使用され循環していくことを念頭にデザインされ、地球にとってこれまで以上に持続可能なファッションチョイスを生み出すのです」

ハフポストUK版の記事を翻訳・編集しました。