『アバター2』の日本イベントでイルカショー、海外で批判されているワケ

ジェームズ・キャメロン監督は友人へのメールで、イルカショーの演出については舞台に上がるまで知らなかったと述べているという。
ジェームズ・キャメロン監督(左)/ イルカショーのイメージ画像(右)
ジェームズ・キャメロン監督(左)/ イルカショーのイメージ画像(右)
Getty Images

現在公開中の映画『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』の監督やキャストを迎えた来日イベントが12月10日、都内の水族館「マクセル アクアパーク品川」で開催された

しかしその中でイルカショーが行われ、海外では批判が相次いでいる。

シネマトゥデイのYouTube動画によると、イベントでは監督やキャストたちの目の前でイルカショーが行われ、鑑賞後は拍手をしている姿が見られた。感想を求められたジェームズ・キャメロン監督は、「イルカは、知性的で社会性があって、人間と交流できるところが大好きなんです。イルカはこのショーに出ることの許可を出してるんですよね?私もショーに参加してイルカに乗っていいですか?」と述べていた。(編集部注:キャメロン監督の英語での発言を、ハフポスト日本版編集部が翻訳)

監督のジェームズ・キャメロン氏は熱心な環境活動家として知られており、『アバター』に続き、続編の今作でも、環境問題のテーマが強く描かれている。

それにも関わらず、「動物が人間の娯楽の犠牲になっている」などと指摘されているイルカショーがこの映画のプロモーションイベントの一環として行われたことが問題視され、多くの動物愛護団体が批判の声をあげている。

動物愛護団体PETA AsiaはTwitterで、「アバター2は、自然と調和して生きることを強調しているのに、なぜその映画を搾取された動物を使ってプロモーションしているのか?」と指摘。また、イルカの保護団体Dolphin Project「イルカたちはショーに出る許可を出してはいない」と述べた。

この一件に対しYahoo News Australiaは、キャメロン監督はこの演出について事前に知らされていなかった、と伝えている。

同メディアによると、キャメロン監督は友人で写真家のブライアン・スケリー氏や、和歌山県太地町のイルカ追い込み漁についてのドキュメンタリー映画『The Cove』のルイ・シホヨス監督に、この件の詳細について綴ったメールを送ったという。

キャメロン監督からのメールには、当時、映画のプロモスケジュールに忙殺されており、予定表に水族館でのファンイベントについて記載はあったものの、「ドルフィンショーがあることは、ステージに上がって初めて知った。その時にはすでに、ライトに照らされ、ファンからの声援を受けていた」と書かれていたという。

イルカショーを目の前にして「憤慨していた。でもみんなの前で大ごとを起こしたくなかった。でも思い返せば、行動すべきだったのかもしれない」と後悔の念を抱いたという。

そして、キャメロン監督はスケリー氏らに、「これは自分では予期し防止することができない出来事だったということを知ってほしい。申し訳なかった」と謝罪の意を伝えたという。

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