
今、世界を席巻している中国発の人気キャラ「ラブブ(LABUBU)」。
うさぎのような耳にギザギザの歯、ふわふわの毛が特徴で、人気のぬいぐるみシリーズは、1ピース約2200円、6ピース入りのアソートボックスが約1万3500円で販売されている。
これまでセレブをはじめ、アメリカから東南アジア、ヨーロッパまで海外で大ブームとなっているこの奇妙で可愛いキャラクターが、日本でもジワリと注目を浴び始めている。
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Yahoo!検索大賞2024のネクストブレイク商品部門に選出されており、最近では俳優の矢田亜希子さんがInstagramにラブブの写真を投稿したことでも話題になった。
その商品を見て特に心ときめかなくても、「完売間近」「入手困難」と聞くと、気になり、購入意欲を駆り立てられる人も多いだろう。
その心理の背景と、購入する際に注意すべきことを専門家が説明してくれた。
「手に入れなきゃ」心理の背景
「Toy Book」の編集長であるジェームズ・ザーン氏は、「ラブブは数え切れないほどの種類(色・サイズなど)があり、その希少性、そしてネット上での流行が『手に入れなければ』という気持ちを促し、あらゆる年齢層の消費者の心を掴んでいる」と話す。
「ラブブを販売する中国発のトイメーカーPOP MARTは、『ブラインドボックス』や店内イベント、コラボなどの限定商品の販売を通じて、この体験をゲーム化するという素晴らしいマーケティングを行なっています」
POP MARTのInstagramには現在137万人を超えるフォロワーがおり、TikTokには#Labubuのハッシュタグがついた投稿が150万件以上ある。
ラブブファンのサブリナさんは、TikTokでラブブ沼にハマったという。
「Trader Joe’sのトートバッグ(米スーパーの人気バッグ)にラブブのキーホルダーをつけるのが流行っているのを見て、自分も欲しくなっちゃった」
サブリナさんは、最初はラブブを奇妙だと感じたが、すぐにその魅力に惹かれるようになったという。
「目に入るたびに、『ゲットしなきゃ』というスイッチが頭の中で入るんです」
新商品が発売されても秒で完売してしまうため、「手に入らないほど欲しくなる。FOMO現象(取り残されることへの恐怖)と同じだと思います」と語る。
ウェブサイト「The Toy Guy」を運営するおもちゃの歴史家、クリス・バイン氏は、このラブブ熱を冷静に受け止めている。こうした流行では、デザインはあまり関係なく、「話題の新商品を入手する」ということが重要な価値なのだという。

「80年代には、ストリベリー・ショートケーキやホリー・ホビーなど『かわいい系』が大流行しました」と述べ、近年の例としては「ファービー」や「ジェリーキャット」を例に挙げた。
「蒐集は人間の特性です。その時代や文化の中で、自分を識別する方法なのです」
バイン氏はまた、ラブブはトレンドがどうアメリカに届くかの新たな世界的な傾向を反映しているとも考えている。
「かつて流行はアメリカから始まっていました。しかしアニメやアジアのアート、それに優れたデザインやストーリーのおかげで、こうしたトレンドの多くはアジアからやってきています」
購入する際に注意するべきこと
ラブブ・ブームは、とんでもない価格の転売騒動を引き起こしている。しかし、YouTubeチャンネル「Toy Chat」を運営するおもちゃ専門家のマックス氏とサン氏は、こうした高値の転売価格の商品を避けるよう消費者に警告する。
「少し待てるなら、POP MARTは常に在庫を補充しているので、時間が経つにつれ、かなり入手しやすくなるシリーズもあります」(サン氏)

そしてマックス氏は、偽造品に注意するよう呼びかける。
「コミュニティ内で『ラフフ(Lafufu)』と呼ばれているラブブの偽造商品は、特にサードバーティーの小売業者の間で驚くほど横行しています」
ラブブ・ブームに惹かれるならば、、我慢と注意が必要だ。
ハフポストUS版の記事を翻訳・加筆・編集しました。