
牛のマークのレトロな「カウブランド赤箱」で知られる、大阪の老舗石鹸メーカー牛乳石鹸共進社(以下、牛乳石鹸)が、4年の開発期間を経て、同社初の「家電」を発売した。
たったコップ1杯の水で、服を着たまま洗髪できるヘアブラシとミストシャンプーのセット『SUSUGU(ススグ)』だ。
ブラシからは電動式で水が出てくる仕組みになっており、介護が必要なひや、災害時などの場面での活用が期待されている。
【SUSUGUの開発裏はこちら】老舗せっけん屋が家電を発売。牛乳石鹸の挑戦の裏側
9月頭、蒸し暑く今にも雨が降り出しそうな東京の昼下がりに、私は牛乳石鹸の首都圏支店を訪れ、新商品「SUSUGU」を体験させてもらった。
これが新商品『SUSUGU(ススグ)』だ
基本毎日洗髪する筆者。特に夏は、1日でもシャンプーをしないと、顔周りの髪がベタついてくる。外出で汗をかいた際にはドライシャンプーも度々利用している。
蒸し暑い中を歩いて来たため、今すぐにでもシャワーを浴びたい気分だが...。
早速『SUSUGU』を体験させてもらった。

コップ1杯の水で服を着たまま使える
「SUSUGU」を開発した新規事業室の大形広太郎さんに使い方のお手本と説明を受け、早速自分でも使ってみる。ロングヘアだが、うまく洗えるだろうか。

髪をかき分けながら頭皮に向けてミストシャンプーを吹きかけ、指で頭皮をマッサージして揉み込む。爽やかな石鹸の香りがほんのりと漂う。香りは「シトラスサボン」だという。
ブラシのタンク部分に約90mlの水をセットし、頭皮に当ててスイッチオン。ノズルからミストが出てくる電動ブラシで前から後ろへとゆっくりブラッシングする。
ブラシも小さく軽量で、とても使いやすい。頭皮にミストが届いている感覚があり、ドライシャンプーでは味わえない洗髪体験だ。
ロングヘアであれば、この水を使い切るくらいがちょうど良いというが、全体のブラッシングが終わっても水はまだ半分ほど残っていた。私のロングヘアはというと、髪の頭皮から根元を中心に程よく濡れている。
全体のブラッシングが終わったら、タオルで髪の根元や頭皮をしっかり拭き取り、浮いた汚れを拭き取る。
最後は必要に応じてドライヤーで髪を乾かせば終了だ。

手軽に得られる清潔感
実際に洗髪してみて感じたのは、服を着たまま、少量の水でここまで清潔感を感じられることへの驚きだ。
もちろん、率直に言えば「シャワーを浴びたような爽快感」や「美容院のシャンプー台で洗髪してもらったような心地よさ」を得られるとまでは言えない。
しかし、介護が必要で入浴が困難だったり、被災地で何日もシャワーを浴びられなかったりと制限がある人にとっては、衛生的にも精神的にも革命的な変化を及ぼすだろう。
最近は「風呂キャンセル界隈」という言葉も広がり、たくさんのドライシャンプーが市場に出回っているが、水の出るブラシを使うことこそが鍵で、これにより髪を「すすぐ」感覚が得られる。
今までありそうで無かったこの商品。これから様々な場所で広がっていきそうだ。
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さて、SUSUGUの体験を終えた私。オフィスにはドライヤーがないということで、濡れた髪でそのままビルを後に...。
まるで湯上がりかのような髪で、東京のオフィス街を颯爽と歩いて帰路についた。