自民党総裁選が10月4日、投開票されます。
近年の総裁選は、1回目の投票ではいずれの候補も過半数には届かず、上位2人による「決選投票」で決定する傾向があります。
決選投票の仕組みを解説します。
総裁選の仕組みは?
まず1回目の投票では、党所属国会議員による「議員投票」と、全国の党員・党友による「党員投票」の合計票数で争われます。
議員投票と党員投票はいずれも295票で、合わせて590票。議員投票は、国会議員1人1票で、10月4日に投開票されます。
党員投票は各都道府県連が集計した後、党本部が一括集計。各候補者の得票数をもとに、「ドント方式」で配分します。
決選投票は?

国会議員票と党員票を合わせて、有効票の過半数を得た候補者が当選となりますが、いずれの候補も過半数に達しない場合は、上位2人による決選投票が行われます。
決選投票では、国会議員票(295票)と各都道府県連に1票ずつ割り振った地方票(47票)の合計342票で争われ、上位2人のうち得票数が多い方が総裁に選出されます。
各都道府県連の1票は、党員投票の結果に基づき、上位2人のうち得票数が多い候補者に加算する仕組みです。決選投票は、1回目の投票よりも国会議員票の割合が多くなります。
過去には「逆転勝利」も
前回2024年の総裁選も、石破茂さんと高市早苗さんによる決選投票にもつれ込みました。
両候補のほかに小泉進次郎さん、林芳正さん、小林鷹之さん、茂木敏充さん、上川陽子さん、河野太郎さん、加藤勝信さんら計9人が立候補しました。
1回目の投票では、高市さんが181票(議員票72票、党員算定票109票)で、石破さんの154票(議員票46票、党員算定票108票)を上回りました。ところが決選投票では、石破さん(215票)が高市さん(194票)の得票数を上回り、総裁に選出されました。
近年は、岸田文雄さんと河野太郎さんが争った2021年や、安倍晋三さんと石破さんが争った2012年など、決選投票で総裁が決まる傾向があります。
NHKによると、それ以前では1972年まで遡ります。当時の佐藤栄作首相の後継をめぐって、田中角栄さんと福田赳夫さんが決選投票で争い、1回目の投票に続いて田中さんが勝利。いわゆる「角福戦争」を制しました。
