「太ったクマ選手権」でアゴの骨折にも負けずチャンクが優勝「“Fat Bear”は成功を意味する」 【米・アラスカ州】

今年は過去最多となる150万票以上が投じられました。

米・アラスカ州カトマイ国立公園で行われた恒例イベント「Fat Bear Week 2025」で、32番のクマ「チャンク」が優勝しました。

2014年に始まったこの大会は、冬眠前に体重を増やしたクマの中から好みの一頭に投票する人気イベントです。今年は過去最多となる150万票以上が投じられました。

参加した12頭のうち、決勝では856番とチャンクが対決。最終投票の結果、チャンクが9万6350票を獲得し、6万3725票の856番を破って、王者となりました。

チャンクはシーズン序盤の6月にアゴを骨折し、一時は生存さえ危ぶまれていました。レンジャーたちは交尾期の闘争によるものとみていますが、それでもチャンクは適応し、驚異的な食欲で鮭を食べ続けました。その姿に「彼は困難を乗り越える力を示してくれた」と公園レンジャーのナオミ・ボーク氏はBBCに語っています。

昨年まで2年連続で優勝していた128番のメス「グレイザー」は準決勝で敗れましたが、The Guardianによると、彼女の子グマ「128 Jr」が「最も太った子グマ」に選ばれたそう

公園レンジャーのアシュリー・モナコ氏は「太ったクマは、冬眠を生き延びる可能性が高いため、成功したクマを意味します」と説明します。公園の公式サイトでも「fat bears are successful bears(太ったクマは成功したクマ)」と強調されており、イベントは単なる人気投票にとどまらず、クマの生態系への理解を深める教育的役割を果たしています。 

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