
トランプ大統領による巨大なボールルーム(舞踏会場)建設のため、ホワイトハウス・イーストウィング(東棟)の取り壊し作業が10月20日に始まった。
ボールルームは広さ約9万平方フィート(約8360平方メートル)で、建設費用は2億5千万ドル(約376億円)にのぼると報じられている。
トランプ氏は自身のSNSに「歴代の大統領たちは150年以上にわたり、盛大なパーティーや国賓訪問などのための舞踏会場をホワイトハウスに持つことを夢見てきました」と投稿している。
「待ち望まれていたこのプロジェクトに着手する最初の大統領になれたことを光栄に思います――アメリカ国民の税金を1ドルも使わずに!」
予定よりも大規模な計画に
ホワイトハウスのレヴィット報道官は「東棟を“近代化”する」と述べるにとどまり、トランプ氏は「既存の建物を完全に尊重したものになる」と主張した。
しかし10月20日にホワイトハウスで撮影された写真には、巨大なショベルカーが東館の壁を壊し、作業員が大きな穴にホースで水をかける様子が写っていた。
トランプ氏は9月、ボールルームは当初発表されていた650人より多い、約900人を収容できるとNBCに述べた。
現在ホワイトハウスで200人以上を収容するイベントを開催する場合は、庭にテントを張らなければならない。
トランプ氏はテントを嫌っており、「美しいイブニングドレスに身を包み、髪を整えた女性たちが“ずるずる”歩いてテントの席に着き、ぐちゃぐちゃになってしまう」と語ったこともある。
トランプ氏は高級不動産開発を手掛けてきた自らの経歴を引き合いに出して、「ホワイトハウスで大規模イベントを開催する困難を解決できるのは自分しかいない」と述べていた。
倫理的な疑念を招く可能性も
一方で、ボールルームの増設が寄付金で賄われていることから、寄付者への「見返り政策」をとるのではという疑念を招く可能性があるなど、倫理的な問題も浮上している。
トランプ氏は10月20日の投稿で、「ホワイトハウスのボールルームは、多くの寛大な愛国者、偉大なアメリカ企業、そして私自身の民間資金で建設されています。このボールルームは、これから何世代にもわたって楽しく利用されることでしょう!」と書き込んでいる。
ニューヨークタイムズによると、トランプ氏が10月にホワイトハウスで開いたボールルーム建設寄付者たちに感謝を述べる夕食会には、Google、メタ、パランティア、マイクロソフト、アップル、Amazon、HP、ロッキード・マーティンなどの代表者を含む30人以上が出席した。
トランプ氏が9月にYouTubeと和解した際に支払われた金額のうち2200万ドル(約33億円)もボールルーム基金に支払われることになっている。
大統領2期目のトランプ氏は、ホワイトハウスに「自分の足跡」を残そうとしているようだ。
これまでにローズガーデンの芝生を舗装し、2本の巨大な旗竿を設置し、大統領執務室などを金メッキで装飾し、歴代の大統領の肖像画を展示する「ウォーク・オブ・フェーム」を作っている。
ハフポストUS版の記事を翻訳しました。