無機質な送電塔が、巨大な動物の彫刻として景観に溶け込む…。そんなユニークな構想がオーストリアで進んでいます。
プロジェクト名は「Austrian Power Giants(オーストリアン・パワー・ジャイアンツ)」。送電塔を地域を象徴する動物の形にデザインし、自然と調和する“美しいインフラ”を目指す試みです。
solar visionによると、この計画は、オーストリアの送電事業者Austrian Power Grid(APG)が中心となり、デザインメーカーやコンサルト企業などと共同で開発中。オーストリアの9つの州それぞれに、文化や生態系を象徴する動物をモチーフにした送電塔を設置する構想です。
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例えば、ブルゲンラント州ではコウノトリ、オーストリア北部の州ではシカが選ばれています。コウノトリは渡り鳥として知られ、ルスト市は「コウノトリの街」としても有名。一方、シカはアルプス麓の森を象徴しています。
すでにこの2種類の塔は構造的な安定性や高電圧性能のテストを完了しており、現実化に向けた一歩を踏み出しています。New Atlasによると、APGは「この自然に着想を得たデザインは、環境に優しいインフラの象徴となり、地域経済や観光を強化し、送電網拡張への理解促進につながる」と説明しています。
また、Rated Redによると、これらの“動物型送電塔”は「レッドドット・デザイン賞 2025」電化・脱炭素化部門を受賞。ミニチュアモデルは2026年10月までシンガポールのレッドドット・デザイン・ミュージアムで展示中です。
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