量子計算アーキテクチャーでは、全ての物理システムが、各タスクを同じようにうまく実行できるとは限らない。例えば、イオントラップ量子コンピューターでは、ある特定の元素は優れたメモリー量子ビットで、別の元素はノード間の情報輸送により適していることがある。各々の利点を活用するのに重要な必要条件は、異なる原子種のエンタングルメントである。今回、2つのグループが独立に、これを実現した。
T Tanたちは、異なる元素BeとMgのエンタングルメントを、C Ballanceたちは異なる同位体原子CaとCaのエンタングルメントを実証している。こうした研究は、混合種の量子論理への最初の一歩であり、基本的視点からは、多くの内部特性によって識別できる粒子が実際にエンタングルし、ベル不等式を破り得ることを示している。
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Nature528, 7582
2015年12月17日
原著論文:
doi:10.1038/nature16184
doi:10.1038/nature16186
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