50年たっても欲しいとみんなが思うものをつくっているか、これが投資判断の基準だ ──ウォーレン・バフェット

「偉大な企業とは、今後25年から30年、偉大であり続ける企業のこと。私はそう定義する。」 長期投資を好むウォーレン・バフェットらしい言葉だ。

「偉大な企業とは、今後25年から30年、偉大であり続ける企業のこと。私はそう定義する。」

長期投資を好むウォーレン・バフェットらしい言葉だ。バフェットは世界長者番付に25年以上も君臨し続ける大富豪で、経営する投資会社バークシャー・ハザウェイの株価は45年間で82万%も上昇したといわれる。

バフェットは1990年代、アメリカで起きたITバブル期にネットスケープやアマゾンといった企業に投資するのではなく、超アナログのデイリークイーンというソフトクリームを販売する企業を買収している。その理由を彼はこう語った。

「デイリークイーンのアイスキャンディーが10年後も生き残っている可能性は、どんなアプリケーションソフトが生き残っている可能性より高い。」

バフェットの投資基準は、どの分野であれ、生活になくてはならないもの、お金を出しても買いたいブランドを持つ企業であることだ。

「信頼できるもの、そして10年、20年、50年たっても欲しいとみんなが思うものをつくっているかどうか、これが、私が投資判断するうえでの基準だ。」

バフェットから見れば、10ドルが11ドルになれば売り、100ドルが101ドルになれば売って稼ぐタイプの短期投資は愚の骨頂だった。そのまま10年、20年、50年と持っていれば10ドルが101ドルになったと考える。たとえばコカ・コーラがそうだ。同社が株式を公開した1919年に初値40ドルで買った人が、株価の上下に惑わされることなく配当も再投資していれば、60年後には180万ドルになった。実際、バフェットは同社の大株主であり、1日に5本はチェリーコークを飲むヘビーユーザーでもある。

長く愛される製品を作り続けること、長く偉大な企業であり続けることは、それだけで大きな価値を持つ。目先の株価より資産価値、資産価値より成長価値を見るのがバフェットである。

執筆:桑原 晃弥

※本記事は書籍「1分間バフェット」(ソフトバンク クリエイティブ刊)を再構成したものです。

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