水汲みに12時間 過酷な環境で生きる「ファッションモデル」が伝えることとは(画像)

ケニア北部で移動生活を送るサンブル族のをモデルに起用した「小さな変化が大きく変える」キャンペーンは、私たちが日々の消費で使っているお金が、貧しい地域に住む人々の生活を大きく変えることができることを伝える。
Calle Stoltz/Cordaid

この写真はまるで高級ファッション雑誌「Vogue」の見開きの一枚のようだが、よく見てみるとモデルたちはVogueを読むような暮らしとはかけ離れた生活をしているということが、よく分かる。

ハンドバッグ 32ユーロ。1週間の食事 4ユーロ

彼らはケニア北部の遊牧民サンブル族だ。サンブル族の人々は、水をはじめ生活必需品が手に入りにくい、過酷な環境で暮らしている。

スウェーデン人の写真家カル・ストルツ氏は、広告会社「Saatchi & Saatchi」と共同で、2007年から極限状況で生活しているサンブル族について取り上げるキャンペーンを始めた。

キャンペーンの目的は「日々の消費で何気なく使っているお金で、貧しい地域に住む人々の生活を大きく変えられる」だ。高級品を手にするサンブル族の人たちの横には「ハンドバッグ 32ユーロ。1週間の食事 4ユーロ」といったメッセージが書かれている。

キャンペーンの立ち上げにも関わった慈善活動NPO「Cordaid」は、「このキャンペーンを通して、自分の消費の仕方に向き合ってもらいたい」とで述べる。

スローガンは「小さな変化が大きく変える」だ。ショッピングセンターの看板や、レストランで使うコースターに書かれていたこのスローガンの写真がTwitterやFacebookでシェアされてネットで拡散し、多くのニュースサイトで取り上げられるようになった。

アフターシェーブローション 35ユーロ。家を作るための材料 6.5ユーロ

サングラス 24ユーロ。水を手に入れるために必要な費用 8ユーロ

ビール一杯 4.5ユーロ。50リットルの飲料水 1.5ユーロ

サンブル族に飲料水を提供するプロジェクト「サンブル・プロジェクト」によれば、現在25万人以上のサンブル族の人々が、水などの生活必需品を手に入れるのが難しい、ケニア北部の人里離れた地域で暮らしている。

1日最大12時間もかかる水汲みは女性の仕事とされているが、水が見つからずに手ぶらで帰ってくることも少なくない。また、運良く水が見つかっても、その水が汚染されていることも多い。汚染水はサンブル族の死因の1位である下痢を引き起こすことがある。

Cordaidは、地元のサポーターとともに、サンブル族が干ばつの時期を乗り切るための持続可能な方法にも取り組んでいる。その一例として浅い井戸や池を作って雨季の間に水を貯める方法などがウェブサイトで紹介されている。

「ほんの数ドルが大きな違いを生むことを知って欲しい」と願うCordaidは、 「『富の不平等』という私たちが抱える問題を風刺しているこの写真で、現状を変えたい」と声明の中で述べている。

Cordaidについての詳しい情報はウェブサイトで紹介されている。

この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。

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