オクスフォード大の研究者らが調べている人骨が、サンタクロースのモデルになったキリスト教の聖人、聖ニコラウスのものである可能性が出てきた。同大が12月5日、公表した。
聖ニコラウスは、ローマ帝国時代の小アジア(現在のトルコ)で布教活動に取り組んだキリスト教の司教。貧しい娘らに結婚資金を与えたとする言い伝えがあり、のちにオランダやアメリカでサンタクロースの伝説になった。
人骨は、アメリカ・イリノイ州の神父が所有している人の骨盤の一部。神父は聖ニコラウスの遺骨収集家で、分析した骨はフランスのリヨンで入手したという。
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分析したのは、オクスフォード大キーブル・カレッジの先端研究センターのグループ。骨に含まれた物質「炭素14」の濃度を調べることで生存期間を推定する「放射性炭素年代測定法」を用いた。
その結果、骨の主は、4世紀に生きていたことが判明。聖ニコラウスは343年に死亡したとされており、時代が一致したという。
BBCによると、研究グループを率いるトム・ヒグハム教授は「聖ニコラウス本人の骨である可能性があるということを示している」と指摘。今後、聖ニコラウスの骨とされている別の骨とともにDNA型鑑定を実施するなどして特定させたいとしている。