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2018年03月08日 09時23分 JST | 更新 2018年03月08日 09時23分 JST

タジキスタン:日本祭り「JAPAN DAYS」に参加しました

AARの活動の輪が少しずつ広がっています

在タジキスタン日本国大使館が2月17日(土)・18日(日)にイスマイリ・センターで開催した「JAPAN DAYS」(日本祭り)のイベントにAAR Japan[難民を助ける会]も参加しました。駐在員の山根利江からの報告です。

車いす体験を通じて

AAR Japan[難民を助ける会]

AARのブースに設けた車いす体験コーナーには多くの方が参加されました。左はAARの町村美紗(2018年2月17日)

在タジキスタン日本大使館主催で日本祭りが行われるのは今回で3回目。同大使館では障がいのある方々に関する支援を多く行っており、今回の日本祭りでも、近隣諸国から全盲の日本歌謡曲歌手や尺八演奏家、折り紙講師などが招かれてコンサートやワークショップが行われたほか、会場では日本映画の上映や日本の伝統的な玩具の体験会など、日本文化を体験できるさまざまなイベントが行われました。また、2020年の東京パラリンピックに向け、日本政府が支援しているタジキスタン障がい者スポーツ連盟の選手によるパラ柔道の演武も行われ、会場はおおいに盛り上がりました。

今回初めて、2001年よりタジキスタンで活動する唯一の日本のNGOであるAARにもお声かけいただき、このイベントに参加しました。この機会を通し、より多くの方に障がいのある方々について理解を深めてもらおうと、AARは車いす体験コーナーと活動紹介のブースを設けました。イベントには、以前AARが支援をした車いす工房ディルショッドとタジキスタン障がい者連盟の裁縫コース研修生も一緒に参加してくれました。

障がいを自分ゴトにするきっかけに

AAR Japan[難民を助ける会]

AARブースには、活動を知ろうとたくさんの人だかりが(2018年2月17日)

AARの車いす体験には2日間で合計160名以上の皆さんがご参加くださり、またAARが現在行う、障がいの有無に関わらずすべての子どもたちが一緒に学ぶインクルーシブ教育の推進についても多くの方が関心を持ってくださいました。車いす体験では、道端や建物などで、どのような困難があるかを実際に体験してもらえるように、会場にスロープを設置し、障害物を置いて、通りにくい道を再現しました。体験では、「明日もし不運にも何か不慮のできごとがあって家族や友人など自分の大切な人が車いすを使うことがあるかもしれない」「自分も怪我をしたり年を取ったら使うことがあるかも知れない」など、他人ごとではなく身近なことだと想像してもらえるよう声かけをしました。また、日本では学校などでこのような体験学習の機会があることを説明すると、興味深く聞いてくださる方もいました。

AAR Japan[難民を助ける会]

車いすでスロープを上るのは大変(2018年2月17日)

車いすを体験した方からは「初めて乗ったけど、乗り心地は思ったより悪くないね!」「車いすに乗っている人が日々どんな大変な思いをしているのかよく分かった」「車いすに乗って、段差を越えるのは正直怖かった...」「車いすを動かすだけでも、腕力とスキルがいると初めて知った」など、さまざまなご感想をいただきました。このように、自分で実際に車いす体験をし、何かを感じてもらうことで、自分とは違う誰かの立場を理解するきっかけとなったり、他者の気持ちを想像する機会に少しでもなっていたら嬉しく思います。一方で、中には「これに乗ると良くないことが起こる」「自分の子どもは乗せたくない」、とご遠慮される方もいて、現実の厳しさを目の当たりにもしました。今回の経験を活かして、現在支援を行っている学校での啓発活動にも、今後体験学習を積極的に取り入れていければと思います。

AARの活動の輪が少しずつ広がっています

今回、在タジキスタン日本大使館の特命全権大使北岡元様も実際に車いすを体験され、「一人でも多くの人に乗ってもらい障がいについて考えてもらえるきっけになったらいいですね」とのお言葉をいただきました。また、イベントに先立ち、タジキスタン国立言語大学日本語学科の3年生マリアムさんから「当日AARで何か手伝いたい」と連絡がありました。イベントではボランティアとして大活躍してくれ、大助かりでした。マリアムさんは、「AARの取り組みは、とても大事な活動だと思います。困っている人には私も優しくしたい」と話してくれました。また、AARが行うインクルーシブ教育の事業紹介パンフレットをブースに置いておいたところ、会場を訪れた方からパンフレットに記載していた障がい児支援団体へ、早速問い合わせがあったそうです。今回のイベントをきっかけに、実際に教育の機会を得られるようになる子どもがいるかもしれないと嬉しく思いました。

AAR Japan[難民を助ける会]

在タジキスタン日本国特命全権大使の北岡元様もいらしてくださいました。左より、AARの山根利江と町村美紗(2018年2月18日)

AAR Japan[難民を助ける会]

イベントの手伝いを買って出てくれたタジキスタン言語大学日本語学科のマリアムさん(右)(2018年2月18日)

多様性のある共生社会の実現に向けて

AAR Japan[難民を助ける会]

「車いす体験が、他人との違いを認めるきっかけになれば嬉しいです」。AARの山根利江(2018年2月17日)

一人でも多くの子どもが、感受性の豊かな子ども時代にいろいろな人と出会い、いろいろな体験をして、それを自分自身の力に変えていけるように。そして自分自身を大切にする力を、同じように自分と違う誰かを認める勇気に繋げられるように。AARは、多様性のある共生社会の実現に向け、障がいの有無、言語や人種、経済状況などに左右されることなく、誰もがともに学び歩めるようにインクルーシブ教育をタジキスタンに広めていきたいと思います。この度、このような機会をくださった在タジキスタン日本大使館に心より感謝いたします。

【報告者】

タジキスタン事務所 山根 利江

AAR Japan[難民を助ける会]

2016年11月よりタジキスタン事務所駐在。大学卒業後、英国の大学院で保健システム管理と政策を学んだ後、日本で看護師として勤務し、2013年5月よりAARへ。静岡県出身